NBXを騙る副業・投資勧誘の手口と対処法|返金の可能性を解説

NBXをかたる副業・投資勧誘の注意喚起
この記事の監修者

弁護士 有田勝浩

ART法律事務所 代表弁護士
所属  :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号

ART法律事務所は、SNS型投資詐欺の被害に遭われた方の救済を使命として、詐欺被害の撲滅に取り組んでおります。

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弁護士 有田勝浩

ART法律事務所 代表弁護士
所属  :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号

ART法律事務所は、SNS型投資詐欺の被害に遭われた方の救済を使命として、詐欺被害の撲滅に取り組んでおります。

「動画を見るだけの副業」と案内されて始めたはずが、いつの間にか「NBX」というサイトで仮想通貨の取引をするよう指示され、出金しようとすると手数料や保証金を求められる。こうしたご相談の対象になっているサイトのひとつが、ykk908.cc というドメインで表示される「NBX」です。

「NBX」という名称そのものは、ノルウェーの暗号資産事業者であるNorwegian Block Exchange ASの略称として知られています。ただし、副業の勧誘で案内されている ykk908.cc と、この実在企業との関係を示す情報は確認できておりません。

本記事では両者の違いを整理したうえで、当事務所が実施した独自調査の結果と、送金してしまった場合に返金を目指せるのかについてご説明します。

先にお伝えしておくと、この種の被害で資金を取り戻す道のりは平坦ではございません。相手方の特定に至らない場合もあり、被害回復が保証されるわけではありません。

それでも、送金先や送金時期によっては打てる手が残っている場合があるため、事実関係の整理だけでも早めに行っていただきたいと考えます。

NBXをかたる副業勧誘の手口の流れを示す図
この記事でわかること(本件のポイント)
  • 「NBX」は実在の暗号資産事業者の略称ですが、ykk908.cc との関係を示す情報は確認できておりません
  • ykk908.cc は2025年12月12日に作成されたドメインで、登録者名は非公開、登録国はCNと記録されています
  • 出金の名目で追加の送金を求められている段階なら、支払う前にご相談ください
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NBXを騙る投資詐欺の情報を提供する

目次

NBX(Norwegian Block Exchange)とは

はじめに、実在する事業者としての「NBX」について整理します。以下は公表されている情報に基づく事実であり、後述する ykk908.cc の勧誘とは別個のものとしてお読みください。

事業内容と設立の経緯

Norwegian Block Exchange AS(略称NBX)は、2018年に設立されたノルウェーの企業です。

同社は本社をオスロとしており、登記上の事業所所在地はArnstein Arnebergs Vei 30, 1366 Lysakerと公表されています。

暗号資産の交換や決済に関わるサービスを提供しており、法人登録番号は920 245 676です(出典:同社公式サイトおよび利用規約)。

オスロ証券取引所への上場と規制登録の状況

同社の投資家向け情報によれば、株式はオスロ証券取引所のEuronext Growthに上場しています。ティッカーは「NBX」、ISINはNO0010984966です。

上場は2021年12月で、ノルウェー金融監督庁(Finanstilsynet)の登録簿にも同社の名称が掲載されております。

上場企業として株主総会の議事録や資本に関する事項を継続的に開示している点は、匿名で運営されるサイトとは対照的といえるでしょう。

正規のURLは nbx.com

同社は自社のセキュリティ案内において、利用者に対し「必ず www.nbx.com または app.nbx.com にアクセスしているか確認するように」と呼びかけております。

つまり、正規のNBXが利用者に案内しているドメインは nbx.com のみという位置づけです。なお、同社は北欧市場を中心にサービスを提供しており、日本居住者向けの日本語サイトや勧誘は確認できておりません。

NBXを騙る副業勧誘(ykk908.cc)で詐欺が疑われる理由

ここからは、副業の案内をきっかけに紹介されている ykk908.cc の「NBX」について述べます。

以下の内容は実在するNorwegian Block Exchange ASの評価ではなく、当該ドメインで表示されるサイトと、その勧誘方法についてのものです。

正規のURLと ykk908.cc の違い

最も分かりやすい相違点はドメインです。正規のNBXは nbx.com を案内していますが、副業の勧誘で登録を求められているのは ykk908.cc であり、両者は別個のものです。

サービス名として「NBX」を掲げながら、ドメイン文字列に「nbx」が含まれていない点は、公式サイトかどうかを見分けるうえでの手がかりになります。

比較項目Norwegian Block Exchange ASykk908.cc の「NBX」
ドメインnbx.com(アプリは app.nbx.com)ykk908.cc
運営会社Norwegian Block Exchange AS(法人登録番号 920 245 676)サイト上で確認できず
所在地ノルウェー・Lysakerサイト上で確認できず
規制上の位置づけノルウェー金融監督庁に登録金融ライセンスの表示を確認できず
上場の有無オスロ証券取引所Euronext Growth該当なし
ドメインの作成日2025年12月12日

副業から仮想通貨取引へ移る流れ

当初は「動画を投稿するだけ」「いいねを押すだけ」といった軽い作業として案内され、報酬が支払われる段階を経てから、NBXへの登録と仮想通貨の取引をすすめられる流れが確認されています。

作業の話から始まったはずの案件が、途中で入金や送金の話に変わった時点で、いったん立ち止まって確認していただきたいところです

その後、画面上の残高が増えていくため利用者は利益が出ていると受け止めますが、出金を申請すると手数料・保証金・信用回復費用といった名目で追加の支払いを求められます。

支払った後にまた別の名目が示され、送金が繰り返される構図です。

「NBX」を検索しても実在企業の情報しか出てこない

「NBX」で検索すると、上位に表示されるのはノルウェーの上場企業に関する情報です。株価や決算、規制登録といった記述が並ぶため、利用者は「調べたら実在する会社だった」と受け止めやすくなります。

しかし、その検索結果は ykk908.cc について何かを裏づけるものではございません

名称の一致だけで安全性を判断せず、案内されたURLが正規のドメインと一致しているかを確認する必要があります。

勧誘の入口で確認したい点

  • 作業の副業として始まったのに、途中から投資や入金の話が出ていないか確認しましょう
  • 案内されたURLが、名称と対応する正規のドメインかどうかを見比べてください
  • 取引の判断を担当者の指示に委ねる形になっていないか、振り返っていただきたいと思います
  • 本人確認や出金審査を理由に、銀行カードや端末の郵送を求められていないか注意が必要です

「ykk908.cc」の独自調査

当事務所では、ykk908.cc について公開されているドメイン登録情報と、実際のサイト表示内容を確認しました。

運営主体や送金先を特定できるかどうかは、返金を目指すうえでの出発点になります。

ドメイン登録情報の確認

項目内容
ドメインykk908.cc
レジストリドメインID207327168_DOMAIN_CC-VRSN
作成日2025年12月12日(UTC)
最終更新日2025年12月12日(UTC)
運用期間約222日(2026年7月22日を基準日とする)
レジストラGname.com Pte. Ltd.
登録者名プライバシー保護により非公開
登録者の国コードCN
ネームサーバーA9.SHARE-DNS.COM/B9.SHARE-DNS.NET
ドメインステータスclientTransferProhibited(移管禁止)

作成日と最終更新日が同一の日時であり、登録後に登録情報が更新された記録は残っておりません。

また、登録者の名称は伏せられており、連絡先もレジストラの窓口を経由する形になっています。運営主体を公開情報からたどることが難しい状態です。

なおドメイン文字列の「ykk908」については、サービス名として掲げられている「NBX」との対応関係が確認できず、日本のYKK株式会社との関係を示す情報も確認できておりません

サイト表示内容の確認

NBXをかたるykk908.ccのログイン画面
出典:ykk908.cc

ykk908.cc にアクセスすると、サービスの説明が並ぶトップページではなく、ユーザー名とパスワードを入力するログイン画面が表示されました。

会社概要・利用規約・プライバシーポリシーなど、運営主体を判断するための情報に画面上からたどり着く経路は見当たりません

ログインボタンの上部には「クイック登録」という導線が置かれています。正規の暗号資産交換業者が本人確認の手続きを前提としているのに対し、登録の入口が簡略化されている点は、利用前に確認しておきたい相違点でしょう。

日本語での提供と金融商品取引業の登録

ログイン画面は日本語で表示され、右上には言語の切り替えが設けられていました。入力欄の案内文も日本語で書かれており、日本の利用者に向けて画面が用意されている状態です。

この点は法律上の位置づけに関わります。金融商品取引法(e-Gov法令検索)では、海外に所在する業者であっても日本の居住者を相手方として金融商品の取引を行う場合には、原則として金融庁への登録が必要とされております。

そこで当事務所では、金融庁が公表する免許・許可・登録等を受けている業者一覧と、無登録で金融商品取引業を行う者の名称等についての双方を確認しました。

調査時点では、「NBX」または「ykk908.cc」に該当する登録も、警告書の発出を受けた業者としての掲載も確認できておりません。

ここで注意していただきたいのは、掲載がないことが適法性を意味するわけではないという点です。

金融庁自身も、掲載されているのは警告書を発出した時点で無登録営業が確認できた者に限られ、掲載されていない者が無登録営業に該当する行為を行っている場合もあり得ると注意を促しています。

送金先の指定から見える構造

ご相談やこれまでに公表されている情報によれば、送金先として指定されるのは法人名義の口座ではなく、個人名義の銀行口座や電子マネーとされています。

事業者との取引でありながら支払先が個人名義になっている場合、その資金がどこへ向かうのかを利用者が追いにくくなります。

返金を目指すうえでは、この送金先の性質が結果を大きく左右します。銀行口座への振込であれば口座を手がかりに手続きを検討できますが、電子マネーの場合は取り得る手段が限られてしまいます。

公的機関が公表している副業被害の動向

ykk908.cc の勧誘で確認されている流れは、公的機関が注意を呼びかけている類型と重なります。ここでは、本件の手口と共通する点に絞ってご紹介します。

国民生活センターは2026年5月19日、簡単なタスクで稼げるとうたう副業のトラブルについて公表しました。

20代から30代の相談が増えています。最初に少額の報酬が実際に支払われて信用してしまう点・その後に高額の送金を求められる点・借入をしてまで送金してしまう例がある点が挙げられています(出典:国民生活センター「簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルに注意!」、取得日:2026年7月22日)。

また消費者庁も、参加費用を支払えば報酬が得られるとうたいながら、作業の誤りなどを理由に追加の送金をさせる事業者について注意喚起を公表しております。

最初の報酬が信用を生み、その後に金額が段階的に引き上げられるという指摘は、NBXを騙る勧誘で確認されている流れとも一致する部分でしょう。

SNSやマッチングアプリを入口とする投資勧誘については、国民生活センターのロマンス投資詐欺に関する注意喚起もあわせてご確認いただければと思います。

NBXを騙る勧誘のケースで残しておきたい証拠

返金を検討する場合、手元にどのような記録が残っているかが出発点になります。本件では、次のものを保存していただきたいと考えます。

残しておきたい証拠
  • ykk908.cc の画面(ログイン後の残高表示・出金申請の画面・エラー表示)を保存する
  • 担当者や勧誘者とのやり取り(メッセージアプリの履歴・グループ名・アカウント名)を残す
  • 送金の記録(振込明細・送金先の口座名義と番号・電子マネーの購入記録)も残す
  • 副業の入口となった広告や投稿の画面も、可能な範囲で保存しておくとよいでしょう

アプリの削除やアカウントの退会を先に行うと、記録を取り戻せなくなる場合がございます。保存を済ませてから次の手順に進んでいただくのが安全です。

記録の残し方がわからない方も、公式LINEからご質問いただけます

送金してしまった場合返金は目指せるのか

結論として、返金を目指せる場合はありますが、どなたの案件でも同じ結果になるとは限りません。取り得る手段は送金の方法と時期によって変わります

個人名義の銀行口座へ振り込んだ場合には、振り込め詐欺救済法(e-Gov法令検索)に基づき、金融機関に対して口座の凍結を求める道が残されています。凍結された口座に残高が残っていれば、被害回復分配金の支払を受けられる可能性が生じます。

ただし残高がすでに引き出されている場合、この手続きから得られるものはございません。

弁護士が関与する場合には、弁護士会照会の制度を用いて、振込先口座の名義人に関する情報の開示を求めることも検討します。相手方を特定できれば、返還請求や法的手続きへ進む余地が出てきます。

一方で、電子マネーやプリペイド型の決済で支払った分については、振り込め詐欺救済法の枠組みに乗せられません。この点は正直にお伝えしておく必要があると考えております。

クレジットカード決済であれば、カード会社への申出という別の選択肢を検討できる場合もあります。

送金方法検討できる主な手段
個人名義口座への振込口座凍結の申出、弁護士会照会、返還請求
電子マネー・プリペイド振り込め詐欺救済法の対象外。購入記録をもとに個別に検討
クレジットカードカード会社への申出を検討
暗号資産の送金送金先の性質により対応可否が分かれる

いずれの手段をとる場合でも、被害回復が保証されるわけではありません。相手方の特定に至らないことも、残高が残っていないこともございます。

それでも、時間の経過とともに選択肢が狭まっていくため、早い段階でご相談いただくことに意味があります。

返金をうたう業者・回収詐欺へのご注意

被害に遭った方に対し、後から「取り戻せる」と持ちかけてくる相手が現れることがあります。

国民生活センターも、被害回復を持ちかけられた際には消費生活センターへ相談するよう呼びかけております。

弁護士以外の者が報酬を得る目的で返金の交渉を代理することは、弁護士法で認められておりません。依頼を検討する際には、次の点をご確認ください。

確認したい点
  • 弁護士の氏名と所属弁護士会、登録番号が明示されているか見てください
  • 費用の内訳と、回収できなかった場合の扱いについて説明を受けましょう
  • 費用や方針に関する説明は、担当する弁護士本人から直接受けるようにしていただきたいと思います

弁護士としての登録の有無は、日本弁護士連合会の弁護士検索で確認できます

NBXを騙る勧誘に関するよくあるご質問

実在のNorwegian Block Exchangeに返金を求めることはできますか

できないと考えられます。ykk908.cc の勧誘と同社との関係を示す情報は確認できておらず、同社は名称を使われた側という位置づけになります。返金を求める相手は、実際に資金を受け取った送金先やその関係者です。

副業のつもりで始めましたが、投資詐欺として扱われるのでしょうか

入口が副業であっても、実際に損害が生じているのは仮想通貨の取引をうたうサイト上での出金拒否です。そのため、返金を目指す手続きは投資に関する被害と同じ枠組みで検討することになります。呼び方よりも、いつ・どこへ・どのように送金したかが判断の軸になります。

電子マネーで支払った分も取り戻せますか

銀行振込に比べて手段が限られます。振り込め詐欺救済法による口座凍結の対象にならないためです。購入した店舗の記録や識別番号が残っていれば検討の材料になりますので、レシートや購入履歴は破棄せずに保管しておいてください。

「信用回復費用を払えば出金できる」と言われています。払うべきでしょうか

支払う前にご相談いただきたい場面です。出金のたびに名目を変えて入金を求める運用は、正規の金融サービスでは想定されておりません。支払っても出金に至らず、被害額だけが増えていく結果になりかねません

ご相談の流れ・費用について・当事務所について

当事務所は、SNSや副業の勧誘をきっかけとする投資被害のご相談をお受けしております。ご相談は無料です。まずは状況をお聞かせいただき、取り得る手段と見込みをご説明します。

ご相談の流れ
  1. まずは公式LINEまたはお電話でご連絡ください
  2. 送金の記録ややり取りの履歴をもとに、事実関係を整理いたします
  3. 取り得る手段と費用の見込みをご説明し、ご検討いただきます
  4. ご依頼をいただいた場合は、委任契約を締結してから着手する流れです

費用については着手の段階で必要となる金額と、回収できた場合の報酬の考え方を、契約の前に書面でご提示します。

回収の見込みが乏しいと判断した場合には、その旨も率直にお伝えします。ご相談いただいたからといって、ご依頼を強くおすすめすることはございません。

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※本記事の記載内容は2026年8月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する成果を保証するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。

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