
弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所は、SNS型投資詐欺の被害に遭われた方の救済を使命として、詐欺被害の撲滅に取り組んでおります。

弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所は、SNS型投資詐欺の被害に遭われた方の救済を使命として、詐欺被害の撲滅に取り組んでおります。
マッチングアプリで知り合った相手にLINEへ誘導され、ネットショップの運営を持ちかけられたという方から、当事務所にご相談がありました。
ご相談者は、相手に指定された「Naver(ネイバー)」という名前のサイトに登録し、指示どおりに運営を進めました。ところが出金を申請すると、保証金や税金の名目で追加の送金を迫られました。
当事務所は、このご相談の内容を金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ提供しました。本記事では、ご相談の流れと、当事務所が独自に調べた結果をお伝えします。

- マッチングアプリで知り合った相手にLINEへ誘導され、「Naver」という名前のネットショップサイトを運営するよう勧誘されました。
- サイトでは取引のたびに利益が出ているように表示され、出金を申請すると「保証金」、続いて「税金」の名目で追加の送金を請求されました。
- サイトのドメイン(naverinter.com)は2026年5月9日に登録されたばかりで、登録者情報はプライバシー保護により公開されていません。
金融庁へ情報提供した内容の概要
当事務所が金融庁の情報受付窓口に提出した内容は、次のとおりです。いずれも、ご相談者からお聞きした情報をもとにしています。
| サイト名 | Naver(なりすまし) |
| グループLINE名 | – |
| SNSの種類 | マッチングアプリ |
| 偽広告等を特定するための情報 | – |
| 偽広告等の概要 | – |
| なりすまされている著名人等の名前 | NaverShopping |
| なりすまされている著名人等による注意喚起情報 | なし |
| クローズドチャット(LINEのグループなど)への誘導の有無 | なし |
| 上記が「あり」の場合、クローズドチャットのリンク先が特定できる情報 | なし |
| 広告等から特定のウェブサイトへ遷移されることの有無 | あり |
| 上記が「あり」の場合、遷移されるウェブサイトのリンク先が特定できる情報 | https://www.naverinter.com/naver?e=3yvboo |

⇒Naver(ネイバー)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
実際に寄せられたご相談の流れ
ご相談者が相手と知り合ってから出金を申請するまでを、順にたどります。恋愛や交友の延長で、話がネットショップへ移っていったのが本件の特徴です。
- マッチングアプリで相手と知り合い、メッセージのやり取りを重ねて親しくなりました
- 「LINEの方が連絡を取りやすい」と言われ、連絡手段をLINEへ移しました
- 相手が「3年間ネットショップで生計を立てている」と話し、運営について助言してくるようになりました
- 相手が使っているというネットショップサイトへの登録とダウンロードをすすめられ、登録しました
- 指示どおりに運営を進めると、画面の上では取引のたびに利益が出ているように見えました
- 利益を含めた資金の出金を申請すると、「15日間の返品・クレーム対応のための保証金」を請求されました
- 続いて「税金」も支払うよう言われました
- 不審に思って調べると、同じ手口の架空ネットショップ詐欺がいくつもあると分かりました
はじまりは、投資や副業の広告ではなく、マッチングアプリでの出会いでした。メッセージを重ねて信頼が生まれたところで、相手が続けているというネットショップの話が出てきます。
ご相談者は興味を持ち、言われたとおりにサイトへ登録して運営を始めました。画面では利益が積み上がっていくように表示され、取引が順調に進んでいると思われたそうです。
状況が変わったのは、出金を申請したときでした。まず「返品やクレームへの対応に備える保証金」が必要だと言われ、その後は「税金」も払うよう言われました。追加で送金しなければ、資金を引き出せない仕組みになっていたのです。
⇒マッチングアプリで知り合った相手からネットショップ運営をすすめられた方は、ART法律事務所の公式LINE窓口で状況をお聞かせください
本件の手口の特徴
ご相談の内容から、手口の特徴を挙げます。恋愛感情や信頼関係を入口にして、最後は追加の送金へ誘導していく点が共通しています。
- マッチングアプリという、投資や副業とは無関係の入口から接触してきます
- 早い段階で連絡手段をLINEへ移し、第三者の目が届かないやり取りに切り替えます
- 「知人の紹介で3年間続けている」といった話で、事業が本当にあるように思わせます
- 実在する大手ショッピングサービスのNaverShoppingに似せた名前とロゴを使っています
- 運営画面に利益が出ているように表示し、さらに資金を入れたくなるよう仕向けます
- 出金を申請すると、「保証金」「税金」と名目を変えながら追加の送金を要求します
本件では、恋愛や交友を装って近づく手口と、架空のネットショップへ勧誘する手口が組み合わさっています。相手を信頼してからお金のやり取りが始まるため、途中でおかしいと気づきにくいのです。信頼している相手から持ちかけられた話ほど、入金の前に一度疑ってください。
出金のときに費用の名目が次々と変わるのは、SNSやマッチングアプリを入口にした詐欺的な勧誘によくある手口です。名目が変わるたびに払っていると、被害は膨らむ一方です。警察庁も、実在の企業を装うサイトや、支払い方法が限られる手口に注意を呼びかけています(偽ショッピングサイト・詐欺サイト対策|警察庁)。
本記事の公開後に寄せられたご相談の請求名目と送金方法
本記事を公開したあとも、「Naver(ネイバー)」の名前を使った同じようなご相談が続いています。「保証金」「税金」のあとの名目や資金の渡し方に、これまでと違う点があるため、あわせてお伝えします。
出金の段階で「口座が凍結された」と言われ、凍結の解除に費用を請求されたというご相談があります。閉店を申請したあと、「審査」の期間中に入った注文の代金として、追加で入金するよう指示されたというご相談もありました。名目が「保証金」「税金」から「凍結」「審査」へ変わっても、出金の直前に新しい条件を足してくる手口は同じです。
資金の渡し方では、銀行振込にほかの方法を組み合わせて渡したというご相談がありました。また、相手が示したサイト名が「ネイバーnaver」と書かれていたというご相談もあります。
出金のときに「保証金」や「税金」の名目で追加の送金を要求されたら、支払わないでください。払う前に、やり取りの記録と送金先の情報をまとめておくと、状況をつかむ手がかりになります。
相手とのメッセージ・サイトの画面・振込の記録は、あとで事実を確かめる材料になります。追加の送金を迫られて迷っている段階でも、ご相談ください。すでに払ってしまった方も、記録を消さずにお持ちください。
当事務所による独自調査の結果
当事務所は、偽サイトのドメイン情報・なりすましに使われたNaverShoppingの実際の姿・公的機関の注意喚起の3点を調べました。
偽サイトのドメイン(Whois)情報
誘導先のサイトのドメイン「naverinter.com」の登録情報を調べた結果は、次の表のとおりです。
| ドメイン名 | naverinter.com |
|---|---|
| 登録日(作成日時) | 2026年5月9日 |
| 更新日 | 2026年5月9日 |
| 登録からの経過日数 | 約65日(2026年7月13日時点) |
| 登録者情報 | プライバシー保護のため非公開(登録者の所在国コード:HK) |
| ネームサーバー | DRAKE.NS.CLOUDFLARE.COM GABRIELLA.NS.CLOUDFLARE.COM |
| ドメインステータス | clientTransferProhibited(クライアントの譲渡は禁止) |
このドメインは2026年5月9日に登録されたばかりです。基準日の2026年7月13日の時点で、登録からおよそ65日しかたっていません。
登録者の氏名などはプライバシー保護で伏せられており、登録情報から運営者を特定することはできませんでした。運営者が分からなければ、トラブルになっても、サイトの情報だけでは請求の相手を決められません。
長く運営されている正規のショッピングサービスと違い、このドメインは登録から日が浅く、運営者の情報も公開されていません。誰が運営しているのか分からないサイトにお金を預けるのは、危険です。サイトが閉じられると、画面もやり取りも見られなくなるため、今のうちに画面を保存しておいてください。
こうしたサイトへの登録や送金を持ちかけられたら、入金する前に当事務所へご相談ください。
なりすまし対象とされる「NaverShopping」とはどのような会社か
本件で名前を使われたNaverShoppingは、実在するサービスです。本件のサイトとの違いが分かるよう、正規のNaverShoppingについて公開されている情報をまとめます。
NaverShopping(ネイバーショッピング)は、韓国最大手のポータルサイトを運営するNAVER Corporationが提供する、総合ショッピングプラットフォームです。公式サイトは「shopping.naver.com」で公開されています。
運営元のNAVER Corporationは、1999年に設立された韓国を代表するIT企業です。検索ポータルを中心にショッピング・地図・コンテンツなど幅広いサービスを展開しており、企業情報は公式サイト(navercorp.com)で確認できます。
NaverShoppingは、複数のショップや販売者が参加し、商品を横断的に検索・比較できるモール型のサービスとして知られています。韓国コスメやファッション、K-POP関連商品など、豊富な品揃えを特徴としています。
正規のNaverShoppingと当該サイトの相違
正規のNaverShoppingは「shopping.naver.com」というドメインで運営されています。一方、本件のサイトは「naverinter.com」という別のドメインを使っています。
また、正規のNaverShoppingは、韓国の商品を探して買うための総合ショッピングモールです。ところが本件では、個人がサイトを運営して利益を得るという、まったく別の仕組みで勧誘しています。名前やロゴは似ていても、中身は正規のNaverShoppingとは別物です。
公的機関による注意喚起
実在する企業やショッピングサイトを装う手口については、公的機関も注意を呼びかけています。
警察庁は、官公庁やショッピングと無関係の企業等に見せかけたサイトについて注意を促しています。会社概要に虚偽の住所が記載される、支払い方法が限定されるといった特徴も挙げています(偽ショッピングサイト・詐欺サイト対策|警察庁)。
また、海外の事業者による通販トラブルについては、国民生活センターの越境消費者センター(CCJ)にも相談事例が寄せられています(越境消費者センター(CCJ)|国民生活センター)。
本件のサイトも、実在する企業に似せた名前とロゴを使っている点で、警察庁が注意を促している偽サイトと重なります。
⇒「naverinter.com」のサイトに登録・送金された方は、公式LINE窓口で状況をお聞かせください
当事務所は、実在する企業の名前を使ったネットショップのご相談についても、以前に金融庁へ情報を提供しています。大手小売企業をかたるネットショップという点で本件と共通する事例は、次の記事をご覧ください。
この記事には、2026年7月〜9月にのべ404回のアクセスがありました(Googleアナリティクスのセッション数)。記事へのアクセス数であり、ご相談件数や解決実績を示すものではありません。
同じ手口による被害を防ぐために
当事務所は、寄せられたご相談をもとに金融庁の情報受付窓口への情報提供を続け、分かった事実を記事で公開しています。すでに被害に遭われた方のご相談をお受けするだけでなく、これから同じ勧誘を受けるかもしれない方に、前もって手口を知っていただくためです。少しでもおかしいと感じたら、お金を払わないでください。
Naverを騙るケースで事前に気づける手がかり
- マッチングアプリなど、投資や副業とは無関係の場所で知り合った相手から話を持ちかけられます
- 早い段階で、連絡手段をLINEへ移すよう求めてきます
- 「知人の紹介で長く続けている」など、事業が実在するかのような説明が添えられます
- 実在する大手サービスと似た名称やロゴが使われています
- 出金を申請した段階で「保証金」「税金」といった名目が次々に出てきます
入金の前に確認できること
- サイトのドメインが、正規サービスのドメインと一致しているか確認します
- 送金の前に、運営会社の名称・所在地・連絡先が書かれているか見ます
本件で誘導されたのは「naverinter.com」というドメインで、正規のNaverShoppingの「shopping.naver.com」とは違います。名前やロゴが似ていても、ドメインが違うサイトは正規のサービスとは別のものと考え、入金しないでください。
これらの手口は、見分けがつかないよう巧妙に仕組まれています。気づけなかったのは、あなたの落ち度ではありません。勧誘を受けている段階で気づいたら、それ以上は入金しないでください。ご家族やご友人が同じような勧誘を受けているときにも、この記事を役立ててください。
同じような勧誘を受けた方や被害に遭われた方は、本記事の末尾にある情報提供フォームからお知らせください。いただいた情報は、同じ被害を防ぐための注意喚起に役立てています。
当事務所の対応およびご相談のご案内
本記事は、金融庁へ情報を提供したことのお知らせで、個別のご相談への対応をお約束するものではありません。
当事務所は、次のようなご相談をお受けしています。
- マッチングアプリやSNSで知り合った相手から、ネットショップ運営や投資をすすめられました
- 相手が指定したサイトに登録し、運営や入金を進めていました
- 出金を申請すると、「保証金」「税金」などの名目で追加の送金を要求されました
- 実在する企業名やサービス名が使われていたため、正規のものと思っていました
やり取りの記録や送金の資料を早めにまとめておくと、状況をつかみやすくなります。ご相談も、早いほど検討できる手続きが増えます。ただし、早く動いても、被害の回復を保証することはできません。
実在する企業やサービスの名前が使われていても、それだけで信用しないでください。本件のように、名前とロゴだけを似せて、ドメインも運営者も別というサイトがあります。ドメインや運営者の情報が正規のものと違えば、入金をやめて、まずはご相談ください。
⇒Naver(ネイバー)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
よくあるご質問(FAQ)
「Naver」を名乗るサイトについて、よくいただくご質問にお答えします。
- 案内されたサイトは名称もロゴも「Naver」でしたが、韓国の正規のNaverShoppingとは別のサイトなのでしょうか?
-
本件のサイトは「naverinter.com」というドメインで運営されており、正規のNaverShoppingの「shopping.naver.com」とは違います。名前やロゴが「Naver」と似ていても、ドメインが正規のものと違うサイトは、正規のNaverShoppingとは別のサイトと考えてください。そのサイトには、登録も送金もしないでください。
- 出金しようとすると「15日間の返品・クレーム対応のための保証金」を求められました。ネットショップ運営で、こうした保証金を利用者が支払うことはあるのでしょうか?
-
正規のショッピングサービスで、利用者が自分の売上を引き出すために運営者へ「保証金」を送金する仕組みは、まず考えられません。返品やクレームへの備えと説明されても、出金の条件として新たな送金を持ち出されたら、払わないでください。そのときのやり取りは、記録として残しておいてください。
- 保証金を支払った後、今度は「税金」も求められました。出金の前に、税金を運営者へ送るよう言われることはあるのでしょうか?
-
税金は本来、ご本人が申告して国に納めるもので、出金の前に運営者へ送るものではありません。本件では、「保証金」を払ったあとにさらに「税金」を持ち出し、出金の条件を次々に変えています。こうして追加の送金を重ねて要求されたら、それ以上は払わないでください。
- マッチングアプリで知り合い信頼していた相手の案内で送金してしまいました。資金を取り戻す手がかりはありますか?
-
送金先が国内の金融機関の口座なら、振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律。振り込め詐欺救済法・e-Gov法令検索)にもとづく手続きを使える場合があります。ただし、口座の状況や資金の動きによって使えるかどうかは変わり、被害の回復を保証することはできません。まずは、相手とのやり取りや振込の記録をまとめておいてください。
⇒Naver(ネイバー)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
※本記事の記載内容は2026年7月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する法的アドバイスを提供するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。

