
弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所は、SNS型投資詐欺の被害に遭われた方の救済を使命として、詐欺被害の撲滅に取り組んでおります。

弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所は、SNS型投資詐欺の被害に遭われた方の救済を使命として、詐欺被害の撲滅に取り組んでおります。
「QRT」の名前でSNSやLINEグループから投資をすすめられ、指示された口座に振り込んだあとで出金できなくなり、不安を抱えていませんか。QRT(Qube Research & Technologies)は、ロンドンに拠点を置く実在の運用会社です。
しかしその名称やロゴを無断で使い、実在の会社を装って個人から資金をだまし取ろうとする勧誘があり、詐欺が疑われます。
本記事では、実在企業としてのQRTとそれをかたる勧誘との違いを説明し、偽サイト(spdeedtdts06am.com)の独自調査の結果・詐欺が疑われる理由・残しておきたい証拠・返金の見通しまでを解説します。
被害の回復は簡単ではありません。それでも、早い段階で動けば、返金を目指せる可能性があります。
- 本件について、ART法律事務所は金融庁の情報受付窓口へ情報を提供しました。
- 正規のQRT(Qube Research & Technologies)は、公式サイト(qube-rt.com)で、個人投資家向けのサービスやアプリは提供していないと明言しており、SNSやLINEでの投資勧誘は正規のQRTによるものではありません。
- 偽サイト spdeedtdts06am.com は登録から約2か月の新規ドメインで、登録者情報も非公開です。正規のqube-rt.comとは無関係のサイトです。
- 複数の個人名義・法人名義の口座へ銀行振込を求められた場合は、詐欺が強く疑われます。送金先をできるだけ早く特定することが、返金を目指すうえで重要です。
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QRTをかたる投資勧誘に関する金融庁への情報提供
当事務所に寄せられたご相談をふまえ、QRTをかたる投資勧誘について、金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ情報を提出しました。
提出内容の概要は以下のとおりです。
| サイト名 | QRT(偽アプリ名。なりすまし) |
|---|---|
| グループLINE名 | なし |
| SNSの種類 | X |
| 偽広告等を特定するための情報 | なし |
| 偽広告等の概要 | なし |
| なりすまされている著名人等の名前 | Qube Research & Technologies |
| なりすまされている著名人等による注意喚起情報 | https://www.qube-rt.com/fraud-and-impersonation-warnings |
| クローズドチャット(LINEのグループなど)への誘導の有無 | あり |
| 上記が「あり」の場合、クローズドチャットのリンク先が特定できる情報 | URL等はございません。 |
| 広告等から特定のウェブサイトへ遷移されることの有無 | あり |
| 上記が「あり」の場合、遷移されるウェブサイトのリンク先が特定できる情報 | 偽アプリ名:QRT(なりすまし)/偽アプリのURL:なし。App StoreやGoogle Playで「QRT」を検索して取得したとのことです。 |
金融庁は2026年7月、QRTのシンガポール法人の商号を詐称した業者へ警告書を発出しています。
金融庁の公表によると、この業者はウェブサイトやSNSで「関東財務局長(高速)第84号」という登録番号を表示していました。この番号は、高速取引行為者としての登録を示すものです。
金融庁の指摘によると、この業者は高速取引行為者として、本来は関与できないIPO銘柄の配分に関与できると偽って説明していました。
- X(旧Twitter)のダイレクトメッセージから接触がありました
- LINEへ移行し、その後グループへ招待されました
- IPO銘柄の当選を理由に、不足分の振込を求められました
金融庁が警告した業者も当事務所が提出した事案も、IPO銘柄を口実にしている点は共通していますが、同一の業者かどうかは分かっていません。
偽アプリのURLは知らされず、相談者はアプリストアで検索して取得していました。誘導に使われたURLなどが手元に残らないため、画面や履歴は早めに保全してください。
QRT(Qube Research & Technologies)とは
本記事でいう「QRT」は、実在する運用会社 Qube Research & Technologies のことです。QRコードを使ったいわゆる「QRコード詐欺(クイッシング)」とは別の話です。まず、実在企業としてのQRTがどのような会社なのかを説明します。
Qube Research & Technologies(QRT)は、ロンドンに本社を置くグローバルな運用会社です。データやテクノロジーを活用したクオンツ運用を手がける会社として知られ、複数の国・資産クラスにまたがる投資戦略を展開しています。公式サイトは qube-rt.com です。
QRTグループの各法人は、各国の金融当局の規制下に置かれています。公式サイトの記載によれば、英国の金融行為規制機構(FCA)をはじめ、香港証券先物委員会(SFC)・フランスのAMF・シンガポール金融管理局(MAS)・ドバイ金融サービス機構(DFSA)・スイス金融市場監督機構(FINMA)などの監督を受ける法人で構成されています。また、QRTは公式の注意喚起ページで個人投資家向けのサービスを提供していないと明言しており、機関投資家などを対象とする運用会社です。日本の個人に対してSNSやLINEで投資を勧誘し、口座開設や送金をさせる会社ではありません。
この「実在の正規企業である」という点は重要です。QRTという会社そのものは詐欺ではなく、名称やロゴを無断で使われている立場にあります。以下で指摘するのは、QRTの名をかたる勧誘についてです。正規のQRTとは切り分けて読み進めてください。
QRTをかたる投資勧誘で詐欺が疑われる理由

正規のQRTとは別に、その名前とロゴを流用した偽サイトを使い、個人から資金を集める勧誘が行われています。ここでは、なぜ詐欺が疑われるのかを、正規サイトとの違いと典型的な流れから説明します。
正規サイトと偽サイトのURLが違う
まず見ていただきたいのが、URL(ドメイン)の違いです。正規のQRTのサイトは qube-rt.com ですが、当事務所が確認した偽サイトのドメインは spdeedtdts06am.com です。会社名で検索して表示される公式サイトと、勧誘者に誘導されたサイトのURLが一致しない場合は、なりすましを強く疑ってください。
SNS・LINEグループから送金へ誘導する流れ
QRTをかたる勧誘は、次のような流れをたどります。まずSNSの広告や投稿をきっかけに接触があり、株式投資の勉強会などと称するLINEグループへ招待されるケースが多くみられます。グループ内では「先生」や参加者を装ったやり取りで利益が出ているように見せかけ、QRTを名乗る投資サイトやアプリへと誘導していきます。
その後、複数の個人名義や法人名義の口座を指定され、銀行振込で入金するよう指示されます。アプリ上では利益が出ているように表示されますが、いざ出金しようとすると、税金・手数料・保証金などの名目で追加の入金を要求されます。支払っても別の理由をつけて出金させず、最後は連絡が取れなくなります。
警察庁などの公的機関も、正規の金融機関や事業者が個人名義の口座を振込先に指定することは基本的にないと注意を呼びかけています。振込先が個人名義であったり、振込のたびに口座が変わったりする場合は、詐欺を疑うべきサインです。
「QRTS」「QUBE」の名前で勧誘を受けた方からのご相談
当事務所には「QRT」だけでなく、「QRTS」や「QUBE」という名前で勧誘を受けた方からも、お問い合わせが寄せられています。名前が少し違っても、手口の流れはよく似ています。
「QUBE」の名前が出たご相談では、はじめは自分名義の証券口座で売買し、慣れたところで「QUBE」という名前のプラットフォームへ移るよう指示されました。少額の出金がいったんできたあと、IPOに当選したとして、払込をしなければ賠償金を請求すると迫られています。
「QRTS」の名前で勧誘を受けた方も、最初の少額の出金だけはできていました。残高をすべて出金しようとした段階で、手数料と税金の支払いを条件にされました。さらに、出金先の口座番号が違うので口座が凍結されたと告げられ、解除の費用まで請求されています。
相手はまず少額の出金で信用させ、大きな額が動く場面で名目を変えながら支払いを重ねさせています。これは、2つのご相談に共通する流れです。賠償や凍結の解除費用を持ち出すのは、お金を払わせるための口実です。求められた費用は払わずに、振込の記録とやり取りの画面を残したうえでご相談ください。
QRTをかたる勧誘でお困りの方は、公式LINEからご連絡ください
「QRT」をかたる偽サイト(spdeedtdts06am.com)の独自調査
当事務所では、勧誘に使われている偽サイト spdeedtdts06am.com について、ドメイン登録情報(Whois)と表示内容を確認しました。運営主体や送金先を特定できるかどうかは、その後の返金を大きく左右します。
| ドメイン名 | spdeedtdts06am.com |
|---|---|
| 登録日(作成日) | 2026年5月10日 |
| 更新日 | 2026年5月10日 |
| 登録からの経過日数 | 66日(2026年7月15日時点) |
| レジストラ | Gname(gname.com)※RDAPの照会結果による |
| 登録者 | 非公開(プライバシー保護のため伏字。国コードはCN) |
| ネームサーバ | A7.SHARE-DNS.COM/B7.SHARE-DNS.NET |
| ステータス | clientTransferProhibited(ほかの登録事業者へのドメインの移管を禁止する設定) |
登録から約2か月しか経っていない新規のドメインである点は、長年運用されている正規の企業サイトとは大きく異なります。登録者情報が非公開で国コードがCNである点も、運営者を外部から特定しにくくしており、信頼できるサイトとはいえません。
偽サイトの表示内容の確認
偽サイトのトップ画面には、正規のQRTと同一の六角形ロゴと「QRT」の表記が無断で使われていました。画面には日本語で「高度なチャート機能、高速売買サービス」などの文言が並び、「グローバル指数」「ブロックトレード」「IPO」「AIトレーディング」「急上昇」といった、個人向け取引アプリを思わせる機能が並んでいます。日本の個人が使うことを前提に作られており、個人向けのサービスを提供していない正規のQRTとは、この点で明らかに異なります。

QRT公式の注意喚起と比べてわかること
正規のQRTは、公式サイト内の注意喚起ページで、QRTを装った偽サイト・偽アプリ・偽SNSアカウントの存在を公表しています。その内容によると、QRTは個人投資家向けのサービスを提供していません。モバイル取引などのアプリも提供していません。SNSを通じた投資勧誘、株式や暗号資産などへの直接投資の持ちかけ、未承諾での連絡も行わないとしています。QRTの公式な情報発信の場は、ウェブサイト・LinkedIn・WeChatのみとされています。
この公式の注意喚起と比べると、AIトレーディングなどのアプリ機能を掲げてLINEグループから勧誘する偽サイトのやり方は、QRTが公表している内容と正面から矛盾します。QRTを名乗る投資アプリをすすめられている場合、それは正規のQRTのサービスではありません。詳しくは、QRT公式の注意喚起ページをご確認ください。

金融商品取引業の登録の確認
海外の業者であっても日本の居住者に対して投資の勧誘を業として行う場合には、日本で金融商品取引業の登録が必要です。相手の業者が登録を受けているかどうかは金融庁の登録業者一覧で、警告を受けた業者かどうかは無登録業者一覧で確認できます。金融商品取引法の条文は、e-Gov法令検索で参照できます。
前述のとおり、正規のQRTは機関投資家などを対象とする海外の運用会社であり、日本の個人向けに口座開設や送金をさせる登録業者ではありません。QRTを名乗って個人名義の口座への振込を求める勧誘は、正規のQRTの業務とは相容れません。
(参考)海外当局によるQRTなりすまし被害の公表
QRTをかたる投資詐欺は、日本国内に限りません。香港警察の詐欺対策部門(ADCC)も、QRTを装った偽アプリ・偽サイト・偽SNSアカウントを用いた高額被害を公表し、注意を呼びかけています。本件の勧誘との直接の関係は分かっていませんが、QRTの名称が国境を越えて悪用されていることを示す情報として参考になります。
「QRT」詐欺のケースで残しておきたい証拠
返金を目指すうえでは、証拠の保全が出発点になります。相手はある日突然、LINEグループを解散したり、アカウントやサイトを閉鎖したりします。消される前に、次のものをスクリーンショットなどで残しておいてください。
- QRTを名乗る偽サイト(spdeedtdts06am.com)やアプリの画面(トップ画面・取引画面・残高表示など)
- 勧誘に使われたLINEグループや個別トークの内容、勧誘者・「先生」を名乗る人物のアカウント情報
- 指定された振込先口座の名義・番号と、実際に振り込んだ日時・金額がわかる振込明細やネットバンキングの履歴
- SNS広告や最初の接触の経緯がわかる画面
証拠の残し方に迷ったら、公式LINEでお気軽にお尋ねください
「QRT」詐欺で返金は目指せるのか
振り込んでしまったお金を取り戻せるのか。いちばん気になるのは、この点だと思います。被害の回復を保証することはできませんが、状況によっては返金を目指せる可能性があります。
銀行振込による被害の場合、振込先の口座名義が、返金を求める相手を確かめる手がかりになります。相手の口座からお金が引き出される前にご相談いただけるかどうかが分かれ目になるため、早い段階で金融機関へ連絡し、あわせて弁護士にご相談ください。振込先の名義をもとに、状況に応じて弁護士が対応を進めます(費用と進め方は詐欺被害の返金請求のご案内でご説明しています)。
一方で、時間がたって資金が移動してしまうと回収は難しくなり、全額が戻らないこともあります。それでも「もう戻らない」と諦める前に、いま何ができるのかを、まずはご相談ください。
SNSをきっかけとした投資勧誘の相談先については、国民生活センターの注意喚起も参考になります。
返金をうたう業者・回収詐欺へのご注意(二次被害)
投資詐欺の被害後には、「被害金を取り戻せる」「回収実績多数」などとうたって高額な費用を求める、回収代行をかたる業者による二次被害にも注意が必要です。被害に遭った直後は気持ちが焦りやすく、こうした誘いに乗ってしまいがちですが、費用や方針は必ず弁護士本人に直接確認してください。
依頼先を選ぶ際は、弁護士資格の有無を確かめることが大切です。弁護士かどうかは、日本弁護士連合会の弁護士検索で確認できます。名称や登録番号が実在していても、SNS上のやり取りだけで本人だと信じないでください。
「QRT」詐欺に関するよくあるご質問(FAQ)
- QRTは実在の会社とのことですが、その会社自体が詐欺なのですか。
-
いいえ。Qube Research & Technologies(QRT)はロンドンに拠点を置く実在の正規企業であり、本件とは別個の存在です。問題があるのは、その名称やロゴを無断で使い、QRTを装って個人を勧誘する行為です。正規のQRTは、名称を悪用されている立場にあります。
- 公式サイト(qube-rt.com)と、案内されたサイト(spdeedtdts06am.com)が違います。どちらが本物ですか。
-
本物の公式サイトは qube-rt.com です。spdeedtdts06am.com は、登録から約2か月の新規ドメインで登録者情報も非公開であり、正規サイトとは無関係の偽サイトと考えられます。会社名で検索して表示される公式サイトとURLが一致しないサイトは、なりすましを疑ってください。
- QRTのアプリ上では利益が出ているように見えます。出金できますか。
-
出金できない可能性が高いと考えてください。正規のQRTは、公式に個人投資家向けのモバイル取引アプリを提供していないと明言しています。アプリ上の利益表示は実際の運用を反映したものとは限りません。出金しようとすると税金や手数料の名目で追加の入金を要求され、払っても出金できないのがこの手口です。追加の入金を求められている場合は、支払わずにご相談ください。
- すでに複数の個人名義・法人名義の口座に振り込みました。返金は可能ですか。
-
被害の回復が保証されるわけではありませんが、送金先の口座に資金が残っていれば、口座の凍結や交渉を通じて返金を目指せる可能性があります。時間の経過とともに回収は難しくなるため、振込先の情報や証拠を保全したうえで、できるだけ早く金融機関と弁護士にご相談ください。
ご相談の流れ・費用について・当事務所について
ART法律事務所では、QRTをかたる投資詐欺をはじめとする詐欺被害のご相談を承っています。ご相談は無料です。まずは公式LINEからお問い合わせいただき、被害の状況や残っている証拠をお知らせください。内容を確認したうえで、今後の見通しや進め方をご説明します。
費用も、ご相談の段階でわかりやすくお伝えします。ご不明な点は遠慮なくお尋ねください。ご家族に知られたくない、まず話を聞いてみたいという段階でも大丈夫です。一人で抱え込まず、まずは状況の整理からお手伝いします。
QRTをかたる勧誘でお困りの方は、公式LINEからご連絡ください
今すぐ弁護士へ相談を
※本記事の記載内容は2026年7月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する成果を保証するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。



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