
弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。
ART法律事務所には先般、Instagramの投資広告をきっかけに、「河北博光」を名乗るアカウントとLINEでやり取りを始め、株式投資の名目で送金してしまったというご相談が寄せられました。
当事務所では、本件に関して、金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ情報提供を行いました。
ご相談者は、投資用サイト「APS(エーピーエス)」の画面上で、資産が増えていくような表示を見せられていました。ところが、出金しようとした段階で「出金手数料」を、支払った後にはさらに「保証金」を求められる経過をたどっておられます。

- 入口はInstagramの投資広告で、そこから「河北博光」を名乗る個人LINE、さらにグループLINEを経て投資用サイト「APS」へと誘導される流れが確認されています。
- サイト上では取引ごとに利益が積み上がるかのような数値が示され、いざ出金しようとすると「出金手数料」、その支払い後にはさらに「保証金」という二段階の名目で追加の送金を求められています。
- ドメイン「apsskh.com」は2026年6月4日に作成され、運用期間は約29日(2026年7月3日時点)と短く、登録者情報も非公開でした。加えて、名前を使われた「河北博光」氏ご本人が2026年6月19日にX上で注意喚起を行っています。
金融庁へ提供した「APS」に関する情報の概要
まず、当事務所が金融庁の窓口へお伝えした情報を整理してご説明します。ご相談の内容をもとに、偽サイト「APS」に関する事項を、以下のとおりまとめて提出いたしました。

| サイト名 | APS |
| グループLINE名 | – |
| SNSの種類Instagram(広告) | Instagram(広告) |
| 偽広告等を特定するための情報 | Instagram上の投資広告をタップしたところ、「河北博光」を名乗る人物のLINEアカウントへ誘導され、その後グループLINEへ招待された |
| 偽広告等の概要 | 招待されたグループLINE内では、株式投資に関する情報提供が日常的に行われていたとのことです。 |
| なりすまされている著名人等の名前 | 河北博光 |
| なりすまされている著名人等による注意喚起情報 | – |
| クローズドチャット(LINEのグループなど)への誘導の有無 | あり |
| 上記が「あり」の場合、クローズドチャットのリンク先が特定できる情報 | 現時点では確認されておりません。 |
| 広告等から特定のウェブサイトへ遷移されることの有無 | あり |
| 上記が「あり」の場合、遷移されるウェブサイトのリンク先が特定できる情報 | https://apsskh.com/#/home |
⇒APS(エーピーエス)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
ご相談で確認された被害の経過
本項では、ご相談者がたどられた出来事を、時間の流れに沿って整理します。結論として、SNS広告での接触から始まり、出金の直前になって初めて追加の送金を求められる流れになっています。
実際のご相談では、次のような順序で話が進んでいったとうかがっています。
- Instagramで表示された投資関連の広告に関心を持ち、その広告をタップしました。
- 案内に沿って「河北博光」を名乗るLINEアカウントを友だち追加し、まもなくグループLINEへ招待されました。
- グループには「先生」「アシスタント」と呼ばれる人物がおり、株式に関する情報が日々やり取りされていました。
- その案内に従って、投資用サイト「APS」をダウンロードし、登録を済ませました。
- サイト上では取引ごとに利益が出たかのように数値が動き、資産が増えていくように見えました。
- 出金を試みたところ、「出金手数料」を先に支払わなければ出金できないと告げられました。
- 手数料の支払いを終えると、続けて「保証金」の名目で送金を求められました。
ご相談者は、グループLINE内で「先生」や「アシスタント」と呼ばれる人物から日々の株式情報を受け取るうちに、指示された「APS」への登録を進めていかれました。サイトの画面上では利益が積み上がっていくように見えたため、実際に取引が成立しているものと受け止められたご様子です。
ところが、増えたはずの資産を出金しようとした段階で、「出金手数料」の支払いを求められました。指示に従って手数料を送金したものの、続けて「保証金」という別の名目での送金を促されています。こうした二段階の請求に不自然さを感じられたことが、ご相談に至るきっかけとなりました。
⇒Instagram広告から「河北博光」名義のLINEにご登録された経過のある方は、ART法律事務所の公式LINE窓口にてご状況をお聞かせいただけます
APS(エーピーエス)に見られる手口の特徴
続いて、本件で確認された手口の特徴を整理します。結論として、SNS広告から個人LINE、グループLINEへと段階的に誘導し、出金の直前で追加の送金を求める点に特徴があります。
本件で確認された主な特徴は、次のとおりです。
- Instagramの投資広告を入口とし、個人名を名乗るLINEアカウントへ誘導している点。
- グループLINE内に「先生」「アシスタント」と称する複数の人物が存在し、投資が成功しているかのようなやり取りが行われている点。
- 証券取引を思わせる項目を並べた投資用サイト「APS」へ登録させ、画面上で利益が増えるように見せている点。
- 出金の段階で「出金手数料」、さらに「保証金」と、名目を変えながら二段階で送金を求めている点。
これらは、金融庁や警察庁が注意を呼びかけているSNS型投資詐欺に共通して見られるパターンと通じるものです。実際に金融庁は、SNS上の偽広告からLINEグループへ誘導し、出金時に手数料などの名目で追加送金を求める手口について、相談事例として公表しています(金融庁・投資詐欺等に関する相談事例)。
本件に固有の点としては、名目が「税金」ではなく「出金手数料」から始まり、支払い後に「保証金」へと切り替わる二段階の構成になっていたことが挙げられます。また、サイト名「APS」のトップ画面に「IPO」「PO」「板寄せ取引」といった専門的な取引用語が並べられており、正規の証券サービスのような外観が作り込まれていた点も特徴的です。
「APS」のように、画面上で資産が増えていく様子が示されていても、その数値が実際に引き出せる資産と一致しているとは限りません。出金の前に別の名目での送金を求められた際には、いったん手を止めて、これまでのやり取りや送金の記録を残しておかれることが、状況を見直す出発点になります。
⇒「出金手数料」や「保証金」の名目で追加のお振込みを求められた経過がございましたら、公式LINE窓口にてご状況を承っております
APS(エーピーエス)に関する当事務所の独自調査結果
本件では、偽サイトのURLが特定できたため、ドメインの登録情報(Whois情報)を調査いたしました。あわせて、名前を使われた「河北博光」氏ご本人による注意喚起についても確認しています。結論として、ドメインが比較的新しく作成されていること、登録者情報が非公開であること、そしてご本人が名称の使用について注意を呼びかけている事実が確認されました。
偽サイト「apsskh.com」のWhois調査結果
投資用サイト「APS」のドメイン「apsskh.com」について、登録情報を確認したところ、次のような内容でした。
| ドメイン名 | apsskh.com(APSSKH.COM) |
|---|---|
| 作成日(Creation Date) | 2026年6月4日 |
| 更新日(Updated Date) | 2026年6月4日 |
| 運用期間 | 約29日(2026年7月3日時点) |
| 登録事業者(レジストラ) | 登録事業者名の記載は取得できず、お問い合わせURLとして mydomainprovider.com が示されています |
| 登録者情報 | プライバシー保護により非公開(各項目が伏字。国コードはNL=オランダと表示) |
| ネームサーバー | A5.SHARE-DNS.COM/B5.SHARE-DNS.NET |
| ドメインステータス | clientTransferProhibited(クライアントの譲渡は禁止) |
調査の結果、ドメイン「apsskh.com」は2026年6月4日に作成されており、基準日である2026年7月3日時点での運用期間は約29日でした。株式取引を扱うサービスの拠点としては、運用開始から日が浅い状態にあることが確認されています。
また、登録者の氏名・組織・住所などの情報は、いずれもプライバシー保護によって伏字とされており、運営主体を外部から確認することはできませんでした。
ドメインが作成されてから日が浅く、運営者の情報も確認できないサイト上で、株式投資の名目によるお金のお預かりが求められることがあります。そうした場合には、その預け先がどのような事業者であるかを、お振込みの前の段階でご確認いただくことが手がかりとなります。運用期間や登録者情報は、あくまで客観的な事実として押さえておかれるとよいでしょう。
名前を使われた「河北博光」氏ご本人による注意喚起
本件で「先生」として名前が使われていた「河北博光」氏については、同名の人物ご本人が、自身の名前を用いた投資勧誘に関する注意喚起を行っていることが確認できました。
「河北博光」氏(X:@khiro0127)は、2026年6月19日付の投稿で、自身の名前やプロフィールを使用したLINE上の投資勉強会・投資コミュニティ・口座開設勧誘が行われているとの情報を受けた旨を明らかにしています。そのうえで、ご自身がLINEグループなどを運営し、特定の金融商品や取引口座の開設、入金等を勧誘することはないとして、注意を呼びかけています。
(参照:河北博光氏によるX投稿・2026年6月19日)

ご本人が勧誘を行っていないと明確に述べておられる以上、その名前を用いてグループLINEへ投資を促す働きかけがあったとすれば、注意が必要です。名義が本人の意思とは無関係に用いられていた可能性もうかがえます。ドメインの作成日が2026年6月4日、ご本人の注意喚起が同月19日という時系列も、あわせてご確認いただければと思います。
当事務所では、個人名を名乗るLINEアカウントを経由して株式投資へ誘導されるご相談について、過去にも金融庁への情報提供を行っております。とりわけ、名前を使われた対象がご自身で注意喚起を行っている点や、著名人・第三者の名義がLINE上で用いられている点で本件と共通する事例につきまして、以下の記事もあわせてご参照ください。
当事務所の対応およびご相談のご案内
最後に、当事務所の対応方針と、ご相談をお考えの方へのご案内をお伝えします。本件のように金融庁へ情報をお伝えした事案につきましては、以下のようなご経過にお心当たりのある方のご相談を承っております。
- Instagramの投資広告から「河北博光」を名乗るLINEアカウントへ誘導された方。
- グループLINE内で「先生」「アシスタント」の指示に従い、投資用サイト「APS」に登録された方。
- 出金の際に「出金手数料」や「保証金」の名目で追加の送金を求められた方。
こうしたご相談は、状況を早い段階で客観的に振り返っておかれることが、次にとりうる選択肢をお考えになるうえで役立つことがあります。ただし、早期にご対応いただいた場合であっても、被害回復が必ず保証されるものではありません。まずは、お手元に残っている記録を保存いただくことが第一歩となります。
本記事は、当事務所が本件を金融庁の窓口へ情報提供した経緯をご報告するものです。同種の手口による被害が各地で確認されておりますので、Instagramなどで見かける投資の誘いや、LINEグループでの「必ずもうかる」といった呼びかけには、十分にご注意いただければと思います。
⇒APS(エーピーエス)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
APS(エーピーエス)に関するよくあるご質問
ここでは、本件のようなAPSに関するご相談で寄せられることの多いご質問について、事実にもとづいてお答えします。
- APSのサイトに「IPO」「PO」「板寄せ取引」など専門的な取引項目が並んでいましたが、これは正規の証券会社と同じ仕組みと考えてよいのでしょうか。
-
取引項目が並んでいることと、その事業者が正規の登録業者であることとは、別の問題です。日本国内で株式などの金融商品取引業を行うには、金融庁への登録が必要とされています。専門用語が並ぶ画面であっても、運営者が登録を受けているかどうかは、金融庁が公表する免許・許可・登録を受けている業者一覧でご確認いただくことが可能です。項目の見た目だけで正規のサービスと判断されないことが大切です。
- 「河北博光」氏ご本人がXで注意喚起を出していますが、自分が参加していたLINEグループもこの注意喚起の対象に当てはまるのでしょうか。
-
ご本人の投稿によれば、自身の名前やプロフィールを用いたLINE上の投資勧誘が行われているとの情報を受けたとされています。しかしご本人は、LINEグループなどを運営して金融商品や口座開設を勧誘することはないと注意を呼びかけました。したがって、「河北博光」の名義でグループLINEへ投資を促された経過があれば、この注意喚起の対象に含まれる可能性があります。ご不安があるときは、やり取りの記録を保存したうえでご相談ください。
- 出金しようとしたら「出金手数料」を求められ、支払った後に今度は「保証金」を求められました。正規の取引でも、このように二段階でお金を求められることはあるのでしょうか。
-
一般に、正規の取引で得た利益を引き出す際に、別途「出金手数料」や「保証金」を先に振り込まなければ出金できないという運用は、想定しにくいものです。金融庁も、出金を申し出た際に手数料や税金などの名目で追加の送金を求められる手口について注意を呼びかけています。名目が一度支払っても次々と変わっていく場合には、いったんお振込みを控え、ご状況を整理されることが手がかりとなります。
- すでに「出金手数料」や「保証金」を振り込んでしまいました。どのような対応が考えられますか。
-
すでにお振込みをされている場合でも、対応の選択肢が残されていることがあります。たとえば、振込先の口座について、振り込め詐欺救済法(預金口座等に係る不正な利用の防止等に関する法律。振り込め詐欺救済法・e-Gov法令検索)にもとづく手続が検討できる場合があります。振込明細やLINEのやり取りなどの記録を保存したうえで、早めにご相談いただく方法があります。ただし、こうした対応をもってしても、被害回復が必ず保証されるものではありません。
⇒APS(エーピーエス)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
※本記事の記載内容は2026年7月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する法的アドバイスを提供するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。

