
弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。
本件のご相談者様は、Instagram上で見ず知らずの相手方から突如としてダイレクトメッセージを受信されたことを契機に、相手方との間で日常的な会話を継続される中で、メッセージアプリLINEへと連絡経路を移されました。
その後、LINE上でのやり取りの過程で持ち掛けられた金投資の話に応じ、相手方の指示に従って投資用サイト「front(フロント)」(URL:www.xrptrade.vip)への登録および入金を行われたとのことです。もっとも、出金申請を試みられた段階に至って、「税金」名目による追加の支払いが新たな条件として提示されることとなり、その違和感を端緒に当事務所へご相談をお寄せいただきました。
当事務所では、本件に関して、金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ情報提供を行いました。
本記事は、被害の拡大防止および注意喚起を目的として、当該情報提供を行った事実、ご相談内容の概要、ならびに当事務所による独自の調査結果をご報告するものであり、特定の取引につき法的判断を確定的に示すものではない点を、あらかじめお断りいたします。

- Instagram上のダイレクトメッセージを起点とし、日常会話を通じた個人的な関係構築を経たうえで、メッセージアプリLINEへと連絡経路が移行され、金投資への参加へと話題が移行していった経過が確認されています。
- 投資用サイト「front」(www.xrptrade.vip)上では取引のたびに利益が発生しているかのような表示が継続的になされ、出金申請の段階に至って「税金」名目による追加の支払いが、それまで取引の前提として説明されていなかった新たな条件として提示された経過が確認されました。
- 偽サイト「xrptrade.vip」のドメインは2026年4月17日に登録されたものであり、登録者情報はプライバシー保護により非公開とされております。加えて、ドメインおよびトップ画面のロゴ表示にXRP(リップル社が中心的に開発に関与する暗号資産)を想起させる表現が用いられている一方で、ご相談者様が勧誘を受けた対象は「金投資」であったという、サイト表示と勧誘内容との間の乖離がみられる構成となっております。
「front」を騙る金投資詐欺に関する情報提供の概要
ご相談者様からお預かりした事実関係のうち、投資用サイトのURL、Instagram上での接触からLINE移行に至るまでの経過、ならびに出金の前提として求められた追加支払いの説明内容を可能な範囲で体系的に整理したうえで、金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ、以下の事項を提出いたしました。

| サイト名 | front |
| グループLINE名 | – |
| SNSの種類 | Instagram(ダイレクトメッセージ) |
| 偽広告等を特定するための情報 | Instagram上で見知らぬ相手方からダイレクトメッセージを受信し、日常的なやり取りを継続したうえで、メッセージアプリLINEへの連絡移行が案内された旨が確認されています。 |
| 偽広告等の概要 | 個別のダイレクトメッセージを起点として日常会話による関係構築が行われ、その後LINEへ移行し、相手方より金投資への参加が持ち掛けられたとのことです。 |
| なりすまされている著名人等の名前 | 現時点では確認されておりません。 |
| なりすまされている著名人等による注意喚起情報 | 現時点では確認されておりません。 |
| クローズドチャット(LINEのグループなど)への誘導の有無 | なし(個別のLINE上での連絡継続のみで、グループLINE等への誘導は確認されておりません) |
| 上記が「あり」の場合、クローズドチャットのリンク先が特定できる情報 | なし |
| 広告等から特定のウェブサイトへ遷移されることの有無 | あり |
| 上記が「あり」の場合、遷移されるウェブサイトのリンク先が特定できる情報 | https://www.xrptrade.vip/dist |
⇒front(フロント)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
実際に寄せられたご相談の経過
まず、本件の経過を時系列でご紹介いたします。Instagram上で見ず知らずの相手方からダイレクトメッセージを受信された瞬間から、当事務所へご相談いただく直前まで、ご相談者様にお話を伺った内容を起点に、各段階を区切って整理してまいります。
- Instagram上で見知らぬ相手方からダイレクトメッセージが届き、日常的なやり取りを継続するに至る
- やり取りが続く中で、相手方からメッセージアプリLINEへの連絡経路の移行が促され、以後はLINE上でのやり取りに移行する
- LINE上でのやり取りの中で、徐々に金銭や投資に関する話題が増えていき、相手方から「金投資」への参加を持ち掛けられる
- 相手方を信用したうえで投資への参加を決め、相手方の指示に従い投資用サイト「front」(www.xrptrade.vip)のダウンロードおよび登録の手続きを行う
- 登録後のサイト上では、取引を行うたびに利益が発生しているかのような表示が継続的に確認され、資産が増加しているとの認識を持つに至る
- 一定の利益が生じているとの認識のもと、出金の申請手続きを進められる
- もっとも、出金の条件として「税金」名目による追加の支払いを新たに求められる
- 当初は税金は支払うべきものとの理解からその説明を受け入れたものの、後日不審を感じてご友人に相談し、インターネット等を通じた情報収集を行われた結果、本件が投資詐欺によるものである可能性が高いとの認識に至り、当事務所へのご相談につながる
本件の起点となりましたのは、写真や短い動画の投稿を中心としたコミュニケーションサービスであるInstagram上で、見知らぬ相手方から突如としてダイレクトメッセージが届いた事実でした。広告経路ではなく、個別のダイレクトメッセージを直接の入口とする構成は、不特定多数に対する大量配信型の広告と比べ、特定の利用者個人に対して一対一の関係性を最初の段階から築こうとする性質を持っています。
ご相談者様は、当該相手方との間で日常的な会話を継続されていたとのことです。日常会話の積み重ねは、相手方への警戒心を徐々に薄める効果を持ちやすく、その後の話題の転換に対する違和感を覚えにくくする性質があります。やり取りがある程度継続した段階で、相手方より連絡経路をInstagramからLINEへ移行することが促され、ご相談者様もこれに応じられました。
LINE上でのやり取りに移行した後、徐々に話題が金銭や投資に関するものへと比重を増していき、最終的に相手方より「金投資」への参加が具体的に持ち掛けられる流れとなりました。これまで日常会話を共有してきた相手方からの提案であったため、当該提案に対する心理的なハードルは低く、ご相談者様は相手方を信用したうえで投資への参加を決められた経過がございます。
その後、相手方の指示に従い、投資用サイト「front」(www.xrptrade.vip)のダウンロードおよび登録の手続きを進められたとのことです。登録後の画面上では、取引を実施するたびに利益が積み上がっていくかのような表示がなされ、ご相談者様としては、資産が順調に増加しているとの認識のもと、出金の申請手続きへと進まれています。
ところが、出金申請を行われた段階に至って、相手方からは「税金」名目による追加の支払いが新たな条件として提示される展開となりました。サイト上では一定の残高が表示されている一方で、当該残高を実際にご自身の口座へ移転するためには別途の入金が必要であると説明される、それまでの取引の流れとは性質の異なる場面に直面されたとのことです(当該名目の構成上の特徴については、次節で詳しく整理いたします)。
正規の金取引や仮想通貨取引において利益に対する課税が発生すること自体は一般的な事柄ですが、その精算は本来、確定申告等の手続きを通じて利用者ご自身が行うべきものとして位置づけられているところであり、取引サービスの側から、出金の前提条件として税金相当額の事前送金を求められる構成は、正規の取引の通常の運用としては想定しがたいものといえます。
当初、ご相談者様は税金は支払うべきものとの理解からその説明を一度は受け入れられたとのことです。しかし、その後不審に思われ、ご友人へ相談されたうえでインターネット等を通じた情報収集を行われた結果、同様の経過による被害事例が複数確認されたことから、本件が投資詐欺によるものである可能性が高いとの認識に至られ、当事務所へのご相談につながった次第です。
⇒Instagram上のダイレクトメッセージから日常会話を経て金投資へと話題が移行されたご経過にお心当たりのある方は、ART法律事務所の公式LINE窓口までご状況をお寄せください
「front」を名乗る投資用サイトにみられる手口の特徴
本件の経過を改めて見渡しますと、直近の同種事案にみられるグループLINE型・広告経由型とは趣を異にする、本件特有の構造的特徴が浮かび上がってまいります。以下、要素ごとに分けて整理いたします。
- Instagram上のダイレクトメッセージという、個別の利用者を最初から一対一の対象として接触する手段を入口としている構成
- 日常的な会話の継続による信頼関係の形成という、時間をかけた関係構築のプロセスを経たうえで、投資の話題へと段階的に移行していく経過
- 連絡経路がInstagramからLINEへと移行され、最終的にやり取りが個別のLINE上に集約されている点(グループLINE等のクローズドチャットへの誘導は確認されておりません)
- サイト「front」(www.xrptrade.vip)のトップ画面に、XRP(リップル社が中心的に開発に関与する暗号資産)を想起させる円形ロゴが大きく配置されている一方で、相手方からご相談者様へ持ち掛けられた投資の内容は「金投資」であったという、サイトのデザイン表示と勧誘内容との間に乖離がみられる点
- サイトを訪問した時点でログイン画面が表示される構成となっており、サービス内容・運営会社・特定商取引法に基づく表記・利用規約等の各種情報を、ログイン前の段階で確認できる導線が見当たらない設計
- 投資用サイト上で取引のたびに利益が発生しているかのような表示がなされ、ご相談者様の資産認識と画面表示が連動する形で構成されている設計
- 出金申請の段階に至って初めて、「税金」という、それまでの取引の前提として説明されていなかった名目による追加の支払いが新たな条件として提示される二段階の経過
- 金取引・仮想通貨取引において発生する利益に対する課税は、本来確定申告等の手続きを通じて利用者ご自身で精算されるべき性質を持つ事柄であるところ、当該性質と整合しない形で、取引サービス側から事前送金が求められる構成
本件において特に着目される点のひとつは、入口となる接触手段の選択にあります。
直近の同種の事案では、Instagram広告・YouTube広告・LINE広告といった「不特定多数の利用者に対して大量に配信される広告」が入口となるケースが多く観察されてまいりました。これに対し、本件の入口は、Instagram上で個別に届けられた一通のダイレクトメッセージでした。一対一の関係構築を最初の段階から積み上げていく構成は、SNS型投資詐欺の中でも、いわゆるロマンス詐欺・友情型詐欺に類型される手口に近い性質を持つものといえます。
2つ目に着目されますのは、関係構築の段階を時間をかけて踏むという、本件特有の流れです。
本件では、Instagram上でのやり取りに始まり、LINEへの移行、日常的な会話の継続、その後の投資話への展開と、段階的に話題が変化していく構成が採られていました。話題の転換が緩やかに行われたことにより、ご相談者様としては各段階での違和感を覚えにくく、最終的な投資勧誘の場面に至った時点では、相手方への信頼が一定程度形成されていた状況にあったと考えられます。
3つ目に着目されますのは、サイトのデザイン表示と、ご相談者様が受けられた勧誘内容との間の乖離です。
「front」のトップ画面には、XRP(リップル社が中心的に開発に関与する暗号資産)のシンボルロゴと外形上きわめて類似した円形ロゴが、画面の中央に大きく配置されています。ドメイン名も「xrptrade.vip」と、XRPの取引(trade)を行うサイトであることを文字列上で示唆する構成となっています。
もっとも、ご相談者様が相手方より持ち掛けられたのは「金投資」であったとのことです。「金」と「XRP(暗号資産)」は投資対象として性質を異にするものであり、サイトのビジュアル上はXRPに関連する取引サービスのような外観を呈する一方で、勧誘の場面では金投資の話が進められていたという、表示内容と勧誘内容との間に乖離がみられる構成となっています。
正規の取引サービスにおいては、サイト上で扱われている金融商品の種別と、利用者に対する勧誘の内容とが一致するのが通常であり、両者の間に乖離がみられる構成は、正規の運用とは性格を異にする側面を持つものといえます。
SNS上で見知らぬ相手方から個別のダイレクトメッセージが届き、日常的なやり取りが継続される中で、徐々に投資の話題が出てくるという流れは、いわゆるロマンス詐欺・友情型詐欺の典型的なパターンとして整理されている類型に近い性質を有しています。投資への参加を決められる前の段階で、相手方の実在性、相手方が紹介するサイトの運営事業者情報、サイトに表示されているロゴやサービス名と勧誘されている投資対象との一致など、複数の点について改めてご確認いただくことが、ご状況のご整理にあたっての手がかりとなる場合がございます。
さらに本件において特徴的なのは、出金申請の段階で求められた追加支払いの名目の構成です。
「税金」については、社会一般の取引上の用語として一定の馴染みがあるため、当該名目で支払いを求められた段階で、利用者として直ちに不当な要求であると判断することは容易ではない側面があります。
もっとも、金取引や仮想通貨取引における利益への課税は、所得税法上、原則として確定申告等の手続きを通じてご自身で精算されるべき性質のものとして整理されており、取引サービスの側が出金の前提条件として税金相当額の事前送金を求める運用は、国内の正規の金融サービスの通常の運用としては見当たらないところです。
Instagramのダイレクトメッセージを入口として、個別のLINE上で関係構築が継続的に行われ、案内された投資用サイト上で利益が出ているとの認識が形成されたうえで、出金申請の段階に至って初めて「税金」名目による追加支払いが新たな条件として提示される、こうした多段階の経過の構成は、ART法律事務所がこれまでにお預かりしてまいりました同種のご相談において、繰り返し確認されてきたパターンと共通する側面が認められます。
⇒SNS上の個別メッセージから関係を築かれた経過のある方は、ART法律事務所の公式LINE窓口にてご状況をお聞かせいただけます
当事務所による独自調査の結果
本件「front」(www.xrptrade.vip)について、当事務所が公開情報をもとに行いました独自調査の結果を、Whois情報の整理、リップル社・XRPとの関係性に関する整理、ならびに関連する公的・報道情報の整理に分けて、ご報告いたします。
偽サイト「xrptrade.vip」のWhois情報
ドメイン情報の登録機関に対する照会の結果、本件の偽サイトに関する登録情報として、以下の事項が確認されました。
| ドメイン名 | xrptrade.vip |
|---|---|
| 登録日(Creation Date) | 2026年4月17日 |
| 更新日(Updated Date) | 2026年4月22日 |
| 運用期間 | 約37日(2026年5月24日時点) |
| レジストラ | Gname.com Pte. Ltd.(IANA ID:1923) |
| 登録者情報 | REDACTED FOR PRIVACY(プライバシー保護により非公開/登録者所在地:香港) |
| ネームサーバー | meiling.ns.cloudflare.com lennon.ns.cloudflare.com |
| ドメインステータス | clientTransferProhibited serverTransferProhibited |
Whois情報から客観的に読み取れる事項として、次の点を整理いたします。
まず、ドメイン「xrptrade.vip」の登録日は2026年4月17日であり、本記事執筆時点(2026年5月24日)で運用期間は約37日となっております。一般的に、ドメインが運用されて間もない段階にあること自体は、ドメインが詐欺目的で使用されていることを直ちに示すものではございません。もっとも、ご相談者様が当該サイトを通じて入金を行われた時期と、ドメインの登録時期とがきわめて近接している事実は、客観的に確認できる事項として整理されるべきものと考えております。
次に、登録者情報につきましては、Registrant Name(登録者氏名)、Registrant Organization(登録者組織名)、Registrant Street(登録者所在地)、Registrant Postal Code(郵便番号)、Registrant Phone(電話番号)、Registrant Email(電子メールアドレス)のいずれもが「REDACTED FOR PRIVACY」と表示され、プライバシー保護を理由として非公開とされていることが確認されました。Registrant Country(登録者の国名)の項目のみが「HK(香港)」と表示されており、その他の具体的な情報は確認できない状況にあります。
金融サービスを提供する事業者には、特定商取引法や金融商品取引法等の関連法令に基づき、運営事業者の名称・所在地等を利用者に対して明らかにすることが求められる場合があるところ、本件においては、サイト上の運営会社情報・登録番号等の表示が確認できないことに加え、ドメインの登録者情報自体もプライバシー保護を理由として非公開とされている状況にあります。サイト上の表示と登録者情報の双方において、運営主体に到達するための情報が制限されている構成は、利用者の側から運営主体への問い合わせ・確認を行うための手がかりが乏しい状態を生じさせる側面を持つものといえます。
サイト名「xrptrade」とXRP(リップル社が中心的に開発に関与する暗号資産)との関係性
本件の偽サイトのドメイン名は「xrptrade.vip」であり、文字列上、暗号資産XRPの取引(trade)を行うサイトであることを示唆する構成が採られております。また、トップ画面の中央には、XRPの公式シンボルロゴと外形上きわめて類似した白色の円形ロゴが大きく配置されておりました。

XRPは、米国のリップル社(Ripple Labs Inc.)が中心的に開発に関与してきた暗号資産であり、日本国内におきましては、暗号資産交換業者の登録を受けた事業者を通じて取引される金融商品として広く認知されている状況にございます。日本の金融庁が公表する暗号資産交換業者登録一覧には、XRPを取り扱う登録事業者が複数掲載されているところでございます。
もっとも、本件サイト「front」につきましては、サイト上に運営事業者の名称、登録番号、所在地等の情報が表示されておらず、Whois上の登録者情報もプライバシー保護を理由として非公開とされている状況にあります。当事務所が本記事執筆時点で確認した範囲においては、金融庁公表の暗号資産交換業者登録一覧上に「front」「xrptrade.vip」「xrptrade」の名称で登録されている事業者は確認できておりません。
また、本件において特徴的な点として、ご相談者様が相手方から持ち掛けられた投資の内容は「金投資」であったということが挙げられます。サイトのドメインおよびロゴ表示はXRP(暗号資産)に関連する取引サービスであるかのような外観を呈する一方で、勧誘の場面で説明されていた投資対象は「金」であり、両者の間に内容上の不一致がみられる構成となっています。
暗号資産XRPのシンボルロゴと類似する円形ロゴをトップ画面の中央に配置しつつ、ドメイン名にも「xrp」「trade」の文字列を用いる構成と、勧誘の場面における説明内容が「金投資」であった事実との間には、投資対象の種別という点で内容上の乖離が認められます。サイトの外観上の表示と、利用者が実際に勧誘される対象との間に乖離がみられる場合には、サイトを通じて行われる「取引」の実体が、画面表示の通りのものとして成立しているか否かという点を、外部から確認することが構造的に困難となる側面が生じる場合があります。
本記事執筆時点におけるサイト上カスタマーサポートへの照会
本件サイト「front」のトップ画面の左上には、「オンラインカスタマーサービス」と表示されたリンクが配置されておりました。当事務所では、本記事執筆時点において、当該カスタマーサポート窓口を通じて、本サイトの運営事業者の金融庁における登録番号についての問い合わせを行いましたところ、本記事執筆時点に至るまで、当該照会に対する応答は確認できておりません。
XRP関連の詐欺急増に関する関連報道
本件と直接の関連性が確認されているものではございませんが、XRPおよびXRPレジャー(XRPL)を利用した詐欺事案の増加傾向については、近時、業界関係者からの公開警告が発信されている状況にあります。
暗号資産関連メディア「CRYPTO TIMES」の2026年5月16日付の報道によれば、リップル社の最高技術責任者(CTO)であるDavid Schwartz氏は、2026年5月14日付で自身のX(旧Twitter)アカウントを通じて、XRPL利用者を対象とした偽エアドロップ・偽キャンペーン詐欺が大幅に増加している旨、ならびにInstagram・Telegram等のSNS上で同氏になりすますアカウントが多数存在している旨の公開警告を発信しているとのことです。
本件は、エアドロップ詐欺・偽キャンペーン詐欺とは類型を異にし、Instagramのダイレクトメッセージを起点とする関係構築型の構造を採るものでありますが、XRP関連の名称・ロゴを用いた構成のサイトが投資詐欺の文脈で利用されている事例の一つとして、上記の業界動向と並行的に位置づけられる側面があるものと考えております。
当事務所では、本件と同様に、投資用サイト上で利益が積み上がっているとの認識を持たれた後、出金申請の段階に至って「税金」名目による追加の支払いが新たな条件として提示されたとのご相談につきまして、過去にも金融庁への情報提供を行っております。とりわけ、暗号資産関連の名称・ロゴを用いた構成の偽サイトが本件と共通する側面を持つ事例として、以下の記事もあわせてご参照ください。
⇒投資用サイト上の表示と勧誘内容との間に乖離を感じられた経過のある方は、ART法律事務所の公式LINEにてご状況を承っております
当事務所の対応およびご相談のご案内
ART法律事務所では、本件「front」を騙る金投資詐欺の事案と同様の経過にお心当たりのある方からのご相談につきまして、状況に応じた対応をご提案させていただいております。
とりわけ、以下に該当する方は、お早めに当事務所へご相談いただけますと、対応可能な選択肢の幅についてのご整理が可能となる場合がございます(ただし、早期にご対応いただいた場合であっても、被害回復が必ず保証されるものではない点を、あらかじめご了承ください)。
- Instagram上で見知らぬ相手方からダイレクトメッセージを受信し、日常的なやり取りを経てLINEへ連絡経路が移行された後、金投資・株式投資・仮想通貨投資等への参加を持ち掛けられた経過にお心当たりのある方
- 投資用サイト「front」(www.xrptrade.vip)への登録・入金を行われた経過のある方
- XRP・Ripple・暗号資産関連の名称やロゴが用いられた構成のサイトを通じて取引を行い、出金申請の段階で「税金」名目による追加の支払いを求められた経過のある方
- サイト上に運営事業者の名称・登録番号等の表示が確認できないにもかかわらず、当該サイトを通じた投資への参加を促された経過のある方
- すでに「税金」名目で送金を行ってしまわれた方で、送金先の口座情報を把握されている方
本記事は、当事務所が本件「front」(xrptrade.vip)に関する事案について金融庁への情報提供を行った事実、ならびにご相談内容の概要および独自の調査結果をご報告するものであり、特定の取引につき法的判断を確定的に示すものではない点を、改めてお断りいたします。
SNS上で個別に届けられたダイレクトメッセージから始まる関係構築型の投資詐欺の手口は、入口の段階では一見すると詐欺とは認識しづらく、日常会話の積み重ねを通じて警戒心が薄まった後の段階で投資勧誘が行われるため、被害が進行してから事案の全体像にお気づきになるケースが多くみられます。
出金申請の段階で「税金」「保証金」「サービス料」「凍結解除費用」等、それまでの取引の前提として説明されていなかった名目による追加の支払いを求められた段階は、当該事案の構造をご整理いただくうえでの重要な手がかりとなる場面のひとつといえます。同様の経過にお心当たりのある方は、お早めにART法律事務所までご相談いただくことを推奨いたします(こうした初動対応をもってしても、被害回復が必ず保証されるものではない点を、あわせてご了承ください)。
⇒front(フロント)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
よくあるご質問(FAQ)
本件「front」(xrptrade.vip)を騙る金投資詐欺に関連して、当事務所にお寄せいただくことの多いご質問のうち、特に本件固有の論点に関係するものを4点に絞り、以下にご紹介いたします。
Q:サイトのロゴはXRP(暗号資産)に類似していましたが、相手方からは「金投資」と説明されていました。これは正規の取引サービスにおいても起こりうる構成でしょうか?
A:正規の金融サービスにおきましては、サイト上で扱われている金融商品の種別と、利用者に対する勧誘内容とが一致する形で運用されることが一般に想定されます。サイトのロゴ・ドメイン名が特定の暗号資産(XRP等)に関連する取引サービスであるかのような外観を呈する一方で、勧誘の場面では金投資の話が進められていたという構成は、サイトの外観上の表示と勧誘内容との間に乖離がみられる状態と整理されます。投資対象が金であるとの説明を受けていたにもかかわらず、サイトのロゴ・ドメインがXRP関連のものであった経過にお心当たりのある方は、ART法律事務所の公式LINE窓口にてご状況をお聞かせいただくことが可能です。
Q:日本国内でXRPを取引できる正規のサービスは存在しますか?「xrptrade.vip」もそのひとつなのでしょうか?
A:日本国内において暗号資産XRPを取引する場合、資金決済に関する法律に基づき金融庁の登録を受けた「暗号資産交換業者」を通じて取引を行うことが原則とされています。金融庁が公表する暗号資産交換業者登録一覧に掲載された事業者を通じて取引することが、利用者保護の観点からも前提となります。
本件サイト「front」(xrptrade.vip)につきましては、当事務所が本記事執筆時点で確認した範囲においては、当該登録一覧上に「front」「xrptrade.vip」「xrptrade」の名称で登録されている事業者は確認できておりません。サイト上にも運営事業者の登録番号等の情報は表示されておらず、当事務所がトップ画面のオンラインカスタマーサービスを通じて登録番号についての照会を試みましたところ、本記事執筆時点に至るまで応答は確認できておりません。
Q:Instagramのダイレクトメッセージから始まり、LINEへ移行して投資を勧められました。広告経由ではない場合も投資詐欺に該当することはあるのでしょうか?
A:SNS型投資詐欺の入口経路は、近時、Instagram広告・YouTube広告・LINE広告といった広告経由のものから、個別のダイレクトメッセージ経由のものまで、多様化している傾向が観察されております。広告経由か個別メッセージ経由かは、入口の経路の違いに過ぎず、その後の経過(相手方への信頼形成→投資用サイトへの誘導→利益表示→出金時の追加支払い要求)が、SNS型投資詐欺に共通してみられる構成と一致する場合には、当該広告経由でない経路を通じた事案であっても、同様の構造的な問題を含む可能性があるものといえます。Instagram上のダイレクトメッセージから関係を築かれた後に投資への参加を促された経過にお心当たりのある方は、ART法律事務所の公式LINE窓口にてご相談いただくことが可能です。
Q:すでに「税金」名目で追加入金してしまいました。送金先の口座情報は控えていますが、何かできることはあるでしょうか?
A:送金先の口座情報(金融機関名・支店名・口座番号・名義人等)を把握されている場合には、振り込め詐欺救済法(預金口座等に係る不正な利用の防止等に関する法律。振り込め詐欺救済法・e-Gov法令検索)に基づく対応の余地について検討の余地があり得ます。同法は、犯罪利用が疑われる預金口座について、金融機関に対する取引停止等の手続きを定めるものであり、当該手続きを経た場合、口座に残存する資金の範囲内で被害回復分配金の支給を受けられる可能性がございます。もっとも、当該手続きは口座に残高が残存していることが前提となるため、被害回復が必ず保証されるものではない点にご留意ください。
送金から日数が経過していない段階のご相談につきましては、対応可能な選択肢の幅が広がる傾向がございますため、お早めにご相談いただくことを推奨いたします(ただし、早期にご対応いただいた場合であっても、被害回復が必ず保証されるものではない点を、あわせてご了承ください)。
⇒front(フロント)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
※本記事の記載内容は2026年5月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する法的アドバイスを提供するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。

