
弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。
X(旧Twitter)上で投資情報を発信していた人物のアカウントからThreadsを経由してLINEへ誘導され、グループLINE内で偽の投資用アプリ「FENAS」をダウンロードするよう指示されたというご相談が、当事務所に寄せられました。
当事務所では、本件に関して、金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ情報提供を行いました。
アプリ上では利益が発生しているように表示されていたものの、突如として関係者との連絡が途絶え、アプリへのログインもできなくなったという内容です。
FENASの情報提供概要
ご相談者様からお預かりした情報にもとづき、金融庁の上記窓口へ以下の事項を報告いたしました。
| サイト名 | FENAS |
| グループLINE名 | – |
| SNSの種類 | X(旧Twitter) |
| 偽広告等を特定するための情報 | 広告ではなく、X上で投資情報を発信していた人物のアカウントに掲載されていたThreadsのリンクが接触のきっかけです。 |
| 偽広告等の概要 | X上の個人アカウントからThreadsを経由してLINEアカウントの追加へ至り、グループLINEへ招待されたうえで投資の勧誘を受けたとされています。 |
| なりすまされている著名人等の名前 | 現時点では確認されておりません。 |
| なりすまされている著名人等による注意喚起情報 | 現時点では確認されておりません。 |
| クローズドチャット(LINEのグループなど)への誘導の有無 | あり |
| 上記が「あり」の場合、クローズドチャットのリンク先が特定できる情報 | 現時点でURL等は確認されておりません。 |
| 広告等から特定のウェブサイトへ遷移されることの有無 | あり |
| 上記が「あり」の場合、遷移されるウェブサイトのリンク先が特定できる情報 | https://www.fenas-apply.com/ |
実際に寄せられた相談内容
ご相談者様から当事務所へお話しいただいた内容をもとに、被害に至った経過を整理します。
- X(旧Twitter)上で投資に関する有益な情報を発信していた人物のアカウントを見つける
- そのアカウントの投稿に掲載されていたThreadsのリンクを経由し、LINEアカウントを追加する
- グループLINEへ招待され、投資に関する情報提供を受ける
- グループ内の案内で偽アプリ「FENAS」をダウンロード・登録し、取引を開始する
本件では、広告ではなくX上の個人アカウントが最初の接点となっています。投資に関する有益な情報を発信しているように見えるアカウントの投稿からThreadsのリンクをたどり、さらにLINEアカウントの追加へと誘導される多段階の経路が用いられています。
グループLINEでは、「先生」や「アシスタント」と称する人物が参加しており、投資に関する情報提供が継続的に行われていたとのことです。
その後、グループ内で偽の投資用アプリ「FENAS」のダウンロードが指示され、ご相談者様は案内に従いアプリを取得し、登録と取引を開始しました。
アプリの画面上では、取引を行うたびに利益が発生しているかのような表示がなされ、資産が増えているように見えていたとのことです。
しかし、ある時点を境に、関係者との連絡が突然途絶えました。さらに、アプリにログインしようとしても接続できない状態となり、ご相談者様はこの時点で本件が詐欺であると気づいたとのことです。
偽サイト「FENAS」のドメイン(fenas-apply.com)に関する調査結果
当事務所では、偽アプリ「FENAS」に関連するドメイン「fenas-apply.com」について、公開されているWhois情報の調査を行いました。調査の結果、以下の情報が確認されています。
| 調査対象ドメイン | fenas-apply.com |
|---|---|
| 登録日(Create) | 2025年12月26日 |
| 有効期限(Expiry) | 2026年12月26日 |
| 運用期間 | 約3か月半(2026年4月9日時点) |
| レジストラ | Gname.com Pte. Ltd.(IANA ID: 1923・シンガポール) |
| 登録者国 | HK,CN(香港・中国) |
| 登録者情報 | Redacted for privacy(プライバシー保護により非公開) |
| ネームサーバー | B3.SHARE-DNS.NET / A3.SHARE-DNS.COM |
| ドメインステータス | clientTransferProhibited |
Whois情報から読み取れる見解
上記の調査結果からは、注意すべき複数の要素が確認されます。
- ドメインの登録日が新しい:2025年12月26日に取得されたドメインであり、2026年4月9日時点での運用期間は約3か月半です。ドメインの運用期間が短い点は、注意すべき要素のひとつです。
- 登録者情報がすべて非公開:登録者名・組織名・住所・連絡先のすべてがプライバシー保護により秘匿されており、サイト運営者の実態を確認することができない状態です。
以上の特徴を総合すると、当該ドメインは運用期間が短く、運営者情報も非公開となっており、サイトの実態が不透明な状態にあるといえます。
偽サイト「FENAS」へのアクセス調査(2026年4月9日時点)
当事務所にて2026年4月9日時点で偽サイト「FENAS」のURL(https://www.fenas-apply.com/)にアクセスを試みたところ、ブラウザ上に以下のエラーメッセージが表示され、サイトにアクセスすることができませんでした。
「このサイトにアクセスできません www.fenas-apply.com にタイプミスがないか確認してください。 DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN」
このエラー(DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN)は、入力したドメイン名がDNS上に存在しないことを意味しており、ドメイン自体が失効しているか、DNSレコードが削除されている状態を示しています。
ご相談者様の証言においても、ある時点から突然アプリにログインできなくなり、関係者との連絡も途絶えたとされており、サイトが利用できなくなった時期と一致しています。
ドメインが登録されているにもかかわらずDNSが応答しない状態は、サイトがすでに運用を停止しているか、意図的にDNS設定が解除された可能性を示唆しています。利用者が投資資金を預けたサイトが突然アクセス不能になるという事実は、当該サービスの信頼性に重大な疑問を生じさせる要素です。
FENASにみられる手口の特徴
本件で確認された手口には、以下のような特徴が認められます。
- X(旧Twitter)上の投資情報発信アカウントを起点とした接触(広告ではなく個人の投稿が入口)
- X → Threads → LINE → グループLINEという複数のプラットフォームにまたがる多段階の誘導経路
- 「先生」「アシスタント」と称する人物を配置した信頼構築
- 偽アプリ「FENAS」上での虚偽の利益表示
- 突然の連絡途絶とアプリへのログイン不可(連絡途絶型)
- 偽サイトのドメインがDNS上で応答しない状態(2026年4月9日時点)
本件で特に注目すべきは、出金時に手数料や税金を請求するのではなく、利用者との連絡を一方的に断つ「連絡途絶型」の手口が用いられている点です。
他の多くの事案では、出金を申請した段階で「税金」「手数料」「保証金」等の名目で追加の金銭を要求する手口が確認されています。しかし本件では、追加請求を行うことなく、ある日突然すべての連絡が途絶え、アプリにも接続できなくなるという形で被害が発生しています。
さらに、X → Threads → LINEという複数のプラットフォームを経由する誘導経路が用いられており、各プラットフォーム単体では全体の流れを把握しにくい状況が作り出されています。
当事務所の対応およびご相談のご案内
ART法律事務所では、SNSを通じた投資詐欺が疑われるご相談をお受けしております。以下のいずれかに心当たりのある方は、まずはご状況をお聞かせください。
- 投資用のアプリやサイトに突然ログインできなくなった
- 投資に関してやり取りしていた相手と連絡が取れなくなった
- 出金を申し出たところ「税金」「手数料」等の名目で追加の支払いを求められた
- SNSで知り合った人物の勧めで投資サイトやアプリに登録し、送金してしまった
- X・Threads・LINEなど複数のSNSを経由して投資へ誘導された
- 被害に遭った資金について、今後どのような対応が取り得るか確認したい
こうした状況にある方は、被害がさらに拡大する前に、早い段階で弁護士にご相談ください。
早期にご相談いただくことで、取り得る対応の幅が広がる場合があります。ただし、被害金の回収が保証されるものではなく、事案の状況によっては対応が困難な場合もあります。
本記事は、当事務所に寄せられたFENASに関するご相談を受け、関係機関である金融庁へ情報提供を行った事実をお伝えする目的で掲載しています。
同様の手口には十分ご注意ください。ご不安をお感じの方は、お早めに当事務所までお問い合わせください。
※本記事の記載内容は2026年4月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する法的アドバイスを提供するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。

