「CIB(シーアイビー/大化け共創プロジェクト)」を騙る株式投資詐欺のご相談を受け、金融庁へ情報提供いたしました

この記事の監修者

弁護士 有田勝浩

ART法律事務所 代表弁護士
所属  :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号

ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

この記事の監修者

弁護士 有田勝浩

ART法律事務所 代表弁護士
所属  :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号

ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

Instagramに表示された投資関連の広告を入口として、グループLINE「大化け共創プロジェクト」への参加を案内され、グループ内から共有されたURL経由で、実在の大手金融機関「クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンク」の名称を冠した投資プラットフォーム「CIB(シーアイビー)」への登録を促されたというご相談が、当事務所に寄せられました。

当事務所では、本件に関して、金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ情報提供を行いました。

当初の入金後にIPO株への当選を理由とする追加入金を求められ、最終的には「CIB機関を通じた融資」や外部のローン会社の利用にまで誘導されたという、段階的に金銭要求が拡大していく構成のご相談です。

「CIB(シーアイビー/大化け共創プロジェクト)」を騙る投資詐欺の全体像のインフォグラフィック
本件のポイント
  • Instagramの投資関連広告を入口として、グループLINE「大化け共創プロジェクト」へ案内され、実在の大手金融機関であるクレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクの名称を冠した投資プラットフォーム「CIB(シーアイビー)」への登録を促される構成が確認されています。
  • なりすまし対象であるクレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクは、自社の名称・ブランドを用いた取り扱いに対して、公式サイト上で注意喚起のPDFを公開しています。
  • 当初の入金後、IPO株への当選を理由とする追加入金の要求にとどまらず、「CIB機関を通じた融資」や外部のローン会社の利用にまで及ぶ、段階的に拡大する金銭要求の構造が、本件特有の特徴として確認されています。

▼CIBを騙る投資詐欺の情報を提供する▼

目次

CIB(大化け共創プロジェクト)の情報提供概要

CIB(大化け共創プロジェクト)の情報提供概要のインフォグラフィック

当事務所に寄せられたご相談を踏まえ、上記金融庁窓口を通じて、以下の内容について情報提供を行いました。

app.cibjp.comへのアクセスを試みた際の画面(2026年5月9日時点)
app.cibjp.comへのアクセスを試みた際の画面(2026年5月9日時点)
サイト名CIB(なりすまし)
グループLINE名大化け共創プロジェクト
SNSの種類Instagram(広告)
偽広告等を特定するための情報Instagram上で投資関連の広告を見つけ、タップしたところグループLINEへ誘導されたとのことです。
偽広告等の概要Instagram上の広告からグループLINEへ誘導し、投資に関する情報発信を行っていたとされています。
なりすまされている著名人等の名前クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンク
なりすまされている著名人等による注意喚起情報https://www.ca-cib.co.jp/news/pdf/Notification.pdf
クローズドチャット(LINEのグループなど)への誘導の有無あり(LINEグループ「大化け共創プロジェクト」)
上記が「あり」の場合、クローズドチャットのリンク先が特定できる情報URL等は確認されておりません。グループ名は「大化け共創プロジェクト」です。
広告等から特定のウェブサイトへ遷移されることの有無あり
上記が「あり」の場合、遷移されるウェブサイトのリンク先が特定できる情報https://app.cibjp.com/?v=1.0.8#/welcome

⇒CIB(大化け共創プロジェクト)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)

実際に寄せられた相談内容

実際に寄せられた相談内容のインフォグラフィック

当事務所にお寄せいただいたご相談を踏まえ、Instagram広告へ接した時点から、外部のローン会社の利用が持ちかけられ、ご自身で詐欺と判断されるに至るまでの一連の経過を、生じた事象の順番に沿って整理いたします。

  • Instagram上で表示された投資をテーマとする広告に目を留め、当該広告をタップする
  • グループLINE「大化け共創プロジェクト」への参加を案内され、これに参加する
  • グループ内では、「先生」や「アシスタント」と称される複数の人物が、株式投資に関する情報を継続的に発信している様子が確認される
  • グループからの案内により、投資用プラットフォーム「CIB(シーアイビー)」のURLが共有され、登録手続きを進めるよう指示を受ける
  • 「CIB(シーアイビー)」上で取引を開始し、取引のたびに利益が積み上がっていくかのような表示を確認する
  • IPO株への当選を理由として、口座残高では足りないとして、追加入金を求められる
  • 手元の資金が不足していることを伝えると、「CIB機関を通じた融資」が利用可能であると案内される
  • さらに、「利益からの返済は認められない」との説明とともに、外部のローン会社の利用が勧められる
  • ご相談者様自身で類似事例の情報を確認したところ、同様の手口による被害事例が複数見つかり、本件が詐欺であると判断されるに至る

本件のきっかけは、Instagram上で表示された投資関連の広告でした。広告をタップしたことを起点として、ご相談者様はグループLINE「大化け共創プロジェクト」への参加へと案内されています。Instagramの広告経由でメッセージアプリのコミュニティへ自然な流れで誘導される構成は、本件においても確認された動線のひとつといえます。

参加されたグループLINE「大化け共創プロジェクト」の内部では、「先生」と称される指導役の人物と、「アシスタント」と称される補助役の人物が複数参加しており、株式投資をテーマとする情報が日々発信されていたとのことです。役割が分担された運営体制は、参加者から見ると、一定の組織性を持つ場として認識されやすい構造に映る側面があります。

その後、グループ内から投資用プラットフォーム「CIB(シーアイビー)」のURLが共有され、ご相談者様は案内に従って登録手続きを進められました。なお、当該プラットフォーム「CIB(シーアイビー)」は、実在する大手金融機関であるクレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクの名称・ブランドが用いられているもので、同行とは別の主体によって運用されているとうかがわれる、いわゆるなりすまし型のプラットフォームに該当します。

実際に、クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクは、自社の名称・ブランドを用いた取り扱いに関する注意喚起の文書を、公式サイト上で公開しています。

クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクによる注意喚起
参照:クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクによる注意喚起

「CIB」上では、取引を行うたびに利益が計上されているかのような画面表示がなされていたため、ご相談者様としては、当初は通常の投資サービスとして信用されていたとのことです。

しかし、ある時点において、IPO株への当選を理由として「現在の口座残高では購入資金が不足している」との説明を受け、追加の入金を求められる場面が生じました。

手元に追加で投じる資金がない旨を伝えられたところ、「CIB機関を通じた融資」が利用可能との案内が示されたとのことです。さらに、「利益からの返済は認められない」との制約条件が併せて伝えられ、外部のローン会社からの借入を経たうえで投資資金を準備するよう促される段階にまで及びました。

これらのやり取りを通じて、ご相談者様は本件の進行に違和感を抱かれ、ご自身で類似事例の情報を確認されています。その結果、本件と共通する手口による被害事例が複数確認されたことから、本件は詐欺によるものであると判断されるに至り、当事務所へのご相談につながりました。

CIB(大化け共創プロジェクト)にみられる手口の特徴

CIB(大化け共創プロジェクト)にみられる手口の特徴

本件のご相談から把握された内容を踏まえ、CIB(大化け共創プロジェクト)に関する手口の特徴を以下に整理してまいります。

  • Instagram広告を入口とした、SNS経由での誘導動線
  • グループLINE「大化け共創プロジェクト」を介したクローズドな空間での情報発信と勧誘
  • 実在する大手金融機関であるクレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクの名称・ブランドを用いた構成
  • 「先生」「アシスタント」と称される複数の人物による役割分担を伴うグループ運営
  • プラットフォーム「CIB」上における、取引のたびに利益が計上されているかのような画面表示
  • IPO株への当選を理由とする追加入金の要求
  • 「CIB機関を通じた融資」という独特の名目を用いた追加資金の調達案内
  • 「利益からの返済は認められない」との制約条件を伴う、外部ローン会社の利用への誘導

本件において特に注目される点は、当初の入金にとどまらず、IPO株当選を理由とする追加入金、「CIB機関を通じた融資」の案内、外部のローン会社からの借入の勧奨という、段階的に拡大していく金銭要求の構造です。投資の枠を超えて、ご相談者様の借入余力にまで踏み込もうとする展開は、本件の構造を理解するうえで欠かせない特徴のひとつといえます。

また、なりすまし対象として用いられているクレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクは、世界的に展開する大手金融機関であり、その名称が冠された投資プラットフォームの存在は、参加者の側から見れば、信頼性の高い枠組みを通じた取り扱いであるかのような印象につながりやすい側面があります。

同行が公式サイト上で注意喚起の文書を公開していることからも、当該名称を用いた取り扱いが、同行とは別の主体によって行われていることがうかがわれます。

弊所弁護士の見解としては、SNS広告を起点としたグループLINEでの段階的な信頼構築のうえで、IPO株当選などの魅力的な口実をもって追加入金を求め、最終的には外部ローン会社の利用にまで誘導するという複数段階の構成は、被害規模が拡大しやすい構造的特徴を備えていると考えられます。Instagram広告の段階で違和感を覚えにくい自然な誘導動線が用いられている点と相まって、参加者の側からは個々のステップが連続的に進む流れとして体験されやすい点にも、留意が必要となります。

なお、段階的に拡大する金銭要求の構造については、後述の独自調査セクションにて、構造の各段階を整理しながら、より詳しく分析してまいります。

⇒CIBに関するご相談・お問い合わせは、当事務所の公式LINEより承っております

独自調査の結果

独自調査の結果のインフォグラフィック

本件について、当事務所において以下の観点から調査を行いました。

偽サイト「cibjp.com」のWhois情報

ご相談者様から共有された偽サイトのURL「https://app.cibjp.com/?v=1.0.8#/welcome」に対応するドメイン「cibjp.com」について、当事務所において確認したWhois情報の概要は、以下のとおりです。

cibjp.comのWhois情報(2026年5月9日時点)
cibjp.comのWhois情報(2026年5月9日時点)
 ドメイン名cibjp.com
 ドメイン登録日(Creation Date)2026年2月12日
 有効期限(Expiration Date)2027年2月12日
 運用期間約3か月弱(2026年5月9日時点)
 レジストラGMO Internet, Inc.(IANA ID: 49)
 登録者情報Whois Privacy Protection Service by onamae.com(プライバシー保護サービスにより非公開)
 登録者国日本
 ステータスclientHold / clientTransferProhibited
 ネームサーバーplato.ns.cloudflare.com / val.ns.cloudflare.com
 DNSSECunsigned

Whois情報から確認できる主な事実として、本件で用いられている偽サイトのドメインは、ご相談を受けた時点においてまだ運用開始から数か月程度のドメインであるとうかがわれます。

また、登録者情報の項目は、プライバシー保護サービス(Whois Privacy Protection Service by onamae.com)を介して非公開となっており、登録者個人の氏名や住所等の詳細を、Whois情報のみから把握することはできない状態となっています。

加えて、Domain Statusに「clientHold」が設定されている点も、本件の特徴として確認できます。clientHoldは、ドメインの登録を取り扱うレジストラの判断によって設定される状態のひとつです。このステータスが付与されると、URLを入力してもサイトの画面が表示されない状態となります。なお、このステータスが付与される事情は事案ごとに異なるため、Whois情報のみから付与の経緯を断定的に評価することは差し控えたいと考えております。

弊所弁護士の見解としては、Whois情報の各項目は、それ単体で当該サイトの正当性を直ちに判断する材料にはなりにくいものの、ご相談者様におかれては、ドメインの登録時期や登録者情報の公開状況、Domain Statusといった客観情報を、サービスの実態を確認する際の手がかりのひとつとしてご活用いただくことが可能です。

偽サイト(app.cibjp.com)の現在のアクセス状況

本件のご相談において確認された偽サイトのURL「https://app.cibjp.com/?v=1.0.8#/welcome」について、当事務所が2026年5月9日時点で同URLへのアクセスを試みたところ、サイトの画面が表示されない状態となっていました。

app.cibjp.comへのアクセスを試みた際の画面(2026年5月9日時点)
app.cibjp.comへのアクセスを試みた際の画面(2026年5月9日時点)

ブラウザ上には「このサイトにアクセスできません」とのメッセージとともに、「DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN」というエラー表示が示されており、当該URLからは、現在のところ偽サイトの画面に到達できない状態となっています。

このアクセス不能の状態は、先のWhois情報の項目で確認された「clientHold」というステータスとも整合する事実です。先述のとおり、clientHoldはドメインの登録を取り扱うレジストラの判断によって設定される状態のひとつであり、当該ステータスが付与されている期間は、URLを入力してもサイトの画面が表示されない状態が続くことになります。

なお、本件の偽サイトに到達できない状態が確認された時点をもって、ただちにご相談内容に関連する被害状況の収束を意味するものではない点には、留意が必要です。ドメインステータスが将来的に変更される可能性があるほか、別のドメインや別の名称を用いて、同種の取り扱いが継続される可能性も、否定できないところがあります。

弊所弁護士の見解

現在のところ偽サイトへ到達できない状態であっても、すでに発生したご相談の経緯や、入金・やり取り等に関する記録が、その後のご状況の整理にあたって重要な手がかりとなる場合がございます。お手元の関連資料(Instagram広告のスクリーンショット、グループLINEのトーク履歴、CIB上の取引画面、振込明細等)をできる範囲で保全しておかれることをおすすめいたします。

「CIB」という名称となりすまし対象との関係

本件で用いられている「CIB」という名称は、フランスに本店を置くクレディ・アグリコル・グループの法人営業・投資銀行部門である「クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンク」(英文名:Crédit Agricole Corporate and Investment Bank、以下「クレディ・アグリコル・CIB」)の略称として用いられているものです。

クレディ・アグリコル・CIBは、世界各国に支店網を持つ大手金融機関であり、日本においては「クレディ・アグリコル銀行 東京支店」(登録金融機関 関東財務局長(登金)第101号)および「クレディ・アグリコル証券会社 東京支店」(金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第214号)として業務を展開しています。

名称区分登録番号加入協会
クレディ・アグリコル銀行 東京支店登録金融機関関東財務局長(登金)第101号一般社団法人全国銀行協会
クレディ・アグリコル証券会社 東京支店金融商品取引業者関東財務局長(金商)第214号日本証券業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人金融先物取引業協会

(参照:クレディ・アグリコル銀行 会社概要 / クレディ・アグリコル証券会社 会社概要)

本件で用いられている偽プラットフォーム「CIB」と、上記の正規のクレディ・アグリコル・CIBおよびそのグループ会社との関連性は、当事務所が確認した範囲においては認められません。

クレディ・アグリコル・CIBは、自社の名称を用いた取り扱いに関して、公式サイト上で「クレディ・アグリコルの名を騙った投資勧誘や詐欺行為等にご注意ください」と題する注意喚起の文書(日本語・英語併記)を公開しています。

当該文書では、「最近、クレディ・アグリコルとは全く関係のない第三者が、クレディ・アグリコルもしくはグループ会社(クレディ・アグリコル銀行、クレディ・アグリコル証券等)を名乗り、未公開株の売買取引について手数料の支払いを要求するなどの疑わしい行為が報告されています」と記載されており、加えて「このような第三者による詐欺的な行為には十分にご注意ください」との呼びかけが行われています。

参照:クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクによる注意喚起(PDF)

弊所弁護士の見解

世界的に展開する大手金融機関の名称を用いて運用される投資プラットフォームの存在は、参加者の側から見ると、信頼性の高い枠組みを通じた取り扱いであるかのような印象につながりやすい側面があります。本件においても、「CIB」という略称が用いられている点は、ご相談者様が当初の段階で違和感を覚えにくい要因のひとつとして作用していたとうかがわれます。

ご相談者様におかれては、サービス名やブランド名に金融機関の名称を含む取り扱いを目にされた際には、ご利用に先立ち、金融庁が公開している免許・許可・登録等を受けている業者一覧で正規の登録の有無をご確認いただくことや、当該金融機関の公式サイトの記載と照合いただくことを、選択肢のひとつとしてご活用いただけます。

段階的に拡大する金銭要求の構造

段階的に拡大する金銭要求の構造のインフォグラフィック

本件のご相談内容を時系列で整理すると、当初の入金から外部のローン会社の利用が勧められる段階に至るまで、複数の名目によって段階的に金銭要求の規模が拡大していく構成が確認されました。本セクションでは、各段階の特徴と相互の関係について整理してまいります。

段階名目求められた行為
第1段階プラットフォーム「CIB」での投資取引のための入金プラットフォームへの初回入金
第2段階IPO株への当選を理由とする追加入金「現在の口座残高では購入資金が不足している」との説明を受けたうえでの追加入金
第3段階「CIB機関を通じた融資」の利用自社グループ内の融資制度として案内された借入の利用
第4段階外部のローン会社の利用「利益からの返済は認められない」との制約条件のもとでの、外部ローン会社からの借入を経た投資資金の準備

ここで注目される点は、各段階の連続性です。

第1段階は、プラットフォーム「CIB」上で取引を開始するための入金であり、ご相談者様としては通常の投資サービスへの参加と認識されるかたちで進行しています。プラットフォーム上では、取引を行うたびに利益が計上されているかのような表示がなされていたため、当初の入金後の段階で違和感が生じる要因は限られていたといえます。

第2段階で持ち出されたのは、IPO株への当選という、利用者の側に強い関心を呼び起こしやすい話題でした。IPO株は、上場直後の値動きへの期待から、新規公開時に注目を集めることが多い金融商品の一種です。「当選した」との説明と「現在の口座残高では購入資金が不足している」との状況設定が組み合わされることで、追加入金の必要性が、利用者にとって受け入れやすい流れで提示される構造となっています。

第3段階で示された「CIB機関を通じた融資」という名目は、本件特有の表現といえます。プラットフォーム名と同一の「CIB」を冠した融資制度が、自社グループ内で完結するかたちで利用可能であるかのように案内されることで、追加の借入が、当該プラットフォームとの取引の延長線上にある手続のひとつとして位置付けられる構成となっています。

第4段階では、第3段階に続いて外部のローン会社からの借入が勧められることになります。ここで併せて伝えられたとされる「利益からの返済は認められない」との説明は、結果として、外部からの借入がIPO株購入のための資金として投じられる流れを生じさせる方向に作用する内容といえます。

投資取引の利益は通常、利用者の自由な処分が認められるべき性質のものですが、本件では、その自由が制約されるかたちでの説明がなされていた点が、独自性を持つ特徴のひとつです。

弊所弁護士の見解

本件の段階的な金銭要求の構造には、各段階で利用者が違和感を覚えにくい流れが組み込まれていたとうかがわれます。

第1段階では「投資取引のための入金」、第2段階では「IPO株当選という好機を逃さないための追加入金」、第3段階では「同一プラットフォーム内での便宜的な融資制度の利用」、第4段階では「利益から返済できないという制約条件下での外部借入」と、それぞれの段階に異なる名目が用意されることで、ご相談者様としては、各段階の判断を、その時点までに積み上げられた信頼関係の延長線上で行われる傾向が生じやすい構造となっています。

加えて、第4段階に至っては、ご相談者様ご自身の現預金の枠を超えて、第三者からの借入を経た資金の投入が求められる段階に達しています。この段階に到達した時点で、被害が拡大した場合の経済的な負担は、初期の投資資金の範囲を大きく超えるものとなりうる点に、構造上の警戒が必要となります。

なお、こうした段階的な構成において、追加の入金や借入を進める前の段階で、ご家族や信頼できる第三者への相談、あるいは弁護士をはじめとする専門家への相談といった、外部の視点を一度通すご対応が、現在のご状況の整理にあたって有効に機能する場合がございます。ただし、外部の視点を通した場合でも、被害回復が必ず保証されるものではない点については、あらかじめお伝えしておきたいところです。

同種の名称を冠する別ドメインに関する補足情報

本件のWhois情報の調査を行う過程において、本件の偽サイトURL「app.cibjp.com」とは別に、同種の名称を冠する別ドメイン「apps.cibjp.net」が存在することが、当事務所の独自調査により確認されました。本セクションでは、当該ドメインに関して当事務所が確認した範囲での情報を、補足としてご紹介いたします。

なお、本セクションの内容は、本件のご相談において直接の対象となっていた偽サイトとの関連性を断定するものではなく、独自調査の過程で確認された情報を、ご参考までに整理したものとなります。

オンライン上での言及

本件のWhois情報を調査する過程で、Yahoo!知恵袋において、CIBを名乗る投資サイトのURLとして「app.cibjp.com」と「apps.cibjp.net」のいずれが偽サイトに該当するかを尋ねる質問が、2026年4月21日付で投稿されていることが、当事務所の調査により確認されました(株式カテゴリへの投稿、確認時点での閲覧157、回答3件)。

出典:Yahoo!知恵袋

このような質問が投稿されていることは、両ドメインの関係について関心を持つ方が一定数おられることを示唆する情報といえます。もっとも、Yahoo!知恵袋上の投稿および回答の内容そのものは、第三者によって行われている発信であり、その内容の正確性については、当事務所が独立に検証するものではありません。

apps.cibjp.netのアクセス状況

当事務所において、2026年5月9日時点で「https://apps.cibjp.net/?v=1.1.3#/welcome」へのアクセスを試みたところ、以下のようなログイン画面が表示されることが確認されました。

apps.cibjp.netへアクセスした際の画面(2026年5月9日時点)
apps.cibjp.netへアクセスした際の画面(2026年5月9日時点)

apps.cibjp.netのWhois情報

参考のため、apps.cibjp.netのドメインに関するWhois情報の概要を以下に示します。

cibjp.netのWhois情報(2026年5月9日時点)
cibjp.netのWhois情報(2026年5月9日時点)
 ドメイン名cibjp.net
 ドメイン登録日(Creation Date)2026年2月26日
 有効期限(Expiration Date)2027年2月26日
 運用期間約2か月半(2026年5月9日時点)
 レジストラGname.com Pte. Ltd.(IANA ID: 1923)
 登録者情報Redacted for privacy(プライバシー保護により非公開)
 登録者国日本
 ステータスclientTransferProhibited
 ネームサーバーVAL.NS.CLOUDFLARE.COM / PLATO.NS.CLOUDFLARE.COM
 DNSSECunsigned

両ドメインの比較に関する整理

本件の偽サイトのドメイン「cibjp.com」と、本セクションで確認した「cibjp.net」を比較すると、いずれも2026年2月に登録された比較的新しいドメインであり、登録者情報がプライバシー保護により非公開となっている点が共通しています。

一方で、レジストラについては、cibjp.comが日本のGMO Internet, Inc.であるのに対し、cibjp.netはシンガポールに本拠を置くGname.com Pte. Ltd.であり、利用されているレジストラが異なる点が確認されました。

なお、両ドメインのネームサーバーが共通している点も、客観事実として確認されました。もっとも、ネームサーバーが共通している事実のみをもって、両ドメインが同一の運営主体によるものであると判断することはできない点には、留意が必要です。

弊所弁護士の見解

本件のご相談において直接の対象となっていた「cibjp.com」と、本セクションでご紹介した「cibjp.net」との運営主体の同一性については、当事務所が確認した範囲においては明確に判断できる事情は認められません。両ドメインの関係については、引き続きご状況を注視してまいります。

ご相談者様におかれては、本セクションでご紹介した「cibjp.net」を含め、似た名称を冠するURLからのご案内が今後示された場合には、ご利用に先立ち、運営主体や正規の登録の有無についてご確認いただくことを、選択肢のひとつとしてご活用いただけます。

関連する公的機関の注意喚起

本件のように、SNS広告を入口として、グループLINEなどの閉じた空間で投資情報の発信が継続的に行われ、最終的に追加入金や借入の利用が求められていく手口については、関連する公的機関からも、利用者向けの情報発信が行われています。本セクションでは、本件と関連性のある注意喚起のうち、当事務所において確認した主要な情報源を整理いたします。

警察庁による情報発信

警察庁では、ウェブサイト上の「SOS47」と題する特殊詐欺対策のページにおいて、「SNS型投資詐欺」というカテゴリを設け、SNSを起点とする投資関連事案の手口や注意点について、公的な情報発信を行っています。本件と類似した、SNS広告経由でグループLINEへ誘導され、専用のプラットフォームへの登録が案内されていく構成を持つ事案も、同ページの紹介対象に含まれます。

参照:警察庁「SNS型投資詐欺」(SOS47)

金融庁による情報発信

金融庁においても、ウェブサイト上の「それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!」と題するページにおいて、本件と類似する手口の特徴や、利用者の側で取り得る確認事項について、利用者向けの情報発信が行われています。グループLINEへの誘導や、出金の段階で追加の支払いを求められる場面など、本件と共通する場面についての注意点も、同ページにおいて取り上げられています。

参照:金融庁「それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!」

なりすまし対象による情報発信

本件のなりすまし対象となっているクレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクにおいても、自社の名称・ブランドを用いた取り扱いに関する注意喚起が、公式サイト上で公開されています。当該注意喚起の内容については、先のセクションでも取り上げたとおりです。

参照:クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクによる注意喚起(PDF)

関連する金融庁情報提供事例

当事務所では、Instagram広告を入口としてグループLINEへ誘導され、その後の段階で投資資金の入金や追加の負担が求められる構成を持つ事案について、過去にも金融庁への情報提供を行っております。本件と関連する事例として、以下の記事もあわせてご参照いただけます。

「ALPACA SE(和信エリートグループV06)」に関する投資詐欺のご相談を受け、金融庁へ情報提供いたしました

⇒心配されている点がございましたら、当事務所のLINE窓口までご状況をお寄せください

当事務所の対応およびご相談のご案内

ART法律事務所では、SNS型投資詐欺に関するご相談を幅広く承っております。本件のように、複数段階に渡る金銭要求を経て、現時点でご不安を抱えていらっしゃるご状況についても、お話を伺いながら、現時点で取り得る対応の選択肢をともに整理してまいります。

以下のようなご状況にお心当たりがある方は、お一人で抱え込まれず、ご状況を当事務所までお寄せください。

  • Instagramの投資関連広告から、グループLINE「大化け共創プロジェクト」への参加案内を受けた
  • グループ内の「先生」や「アシスタント」と称される人物の指示に従い、投資用プラットフォーム「CIB」への登録および入金を行った
  • プラットフォーム「CIB」上では利益が表示されていたものの、出金の段階で追加の手続や費用負担を求められた
  • IPO株への当選を理由として、追加入金を求められた、もしくは現在求められている段階にある
  • 「CIB機関を通じた融資」の利用を持ちかけられた、または既に利用してしまった
  • 外部のローン会社の利用を勧められ、借入を経て投資資金を準備した、もしくはその直前の段階にある
  • 類似のSNS経路や手口で投資を進めてしまい、現在のご状況にご不安を感じておられる

SNSを介した投資関連の事案におきましては、ご状況の整理を進めるうえで、初期の段階から関連する記録を保全しておくことが、その後の選択肢の幅に影響する場面が生じます。具体的には、Instagram上で表示された広告のスクリーンショット、グループLINE「大化け共創プロジェクト」のトーク履歴、「先生」「アシスタント」と称される人物との個別のやり取り、プラットフォーム「CIB」上の取引画面のキャプチャ、振込明細や入金記録などが、当該記録に該当いたします。

加えて、追加の入金や借入のご検討を進める前の段階で、ご家族や信頼できる第三者への共有、あるいは弁護士をはじめとする専門家へのご相談といった、外部の視点を一度通すご対応が、ご状況の整理にあたって有効に機能する場合がございます。

ただし、こうした初動対応や記録の保全をもってしても、ご相談を受けた事案のすべてにおいて被害回復が必ず保証されるものではない点については、あらかじめお伝えしておきたいところです。

事案の内容、経過、相手方の特定状況、資金の追跡可能性などにより、取り得る対応の幅が制約される場面も生じます。早期のご対応がご状況の整理につながりやすい一方で、結果としての被害回復をお約束するものではない点を、ご理解いただけますと幸いです。

なお、銀行振込による入金が含まれているケースにおきましては、犯罪に利用された預金口座を対象とする「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」(振り込め詐欺救済法)に基づく被害回復の枠組みが、選択肢のひとつとして検討対象となる場合がございます。もっとも、当該法律に基づく手続が活用できる事案の範囲は限定的であり、対象口座の特定状況や資金の残存状況によって結果が大きく異なる点には、留意が必要です。

本記事は、CIB(大化け共創プロジェクト)に関して当事務所にお寄せいただいたご相談を踏まえ、関係機関である金融庁への情報提供を行った事実をお知らせするものです。

同様のSNS経路や手口で勧誘を受けられた方、または現在進行形でご不安を感じておられる方におかれましては、被害の継続や拡大を防ぐ観点からも、ご状況を一度整理されることをおすすめいたします。気になる点がございましたら、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

⇒CIB(大化け共創プロジェクト)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)

よくあるご質問(FAQ)

Q:クレディ・アグリコル・CIBが公式に注意喚起を出していますが、本件で利用されている「CIB」は同行と関係があるのですか?

A:本件において当事務所が確認した範囲では、ご相談の対象となっていた偽プラットフォーム「CIB」と、実在する金融機関であるクレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンク(クレディ・アグリコル・CIB)およびそのグループ会社との関連性は、認められません。

クレディ・アグリコル・CIB自身が、自社の名称を用いた取り扱いに関して「クレディ・アグリコルとは全く関係のない第三者が、クレディ・アグリコルもしくはグループ会社を名乗り」と表現する形で、公式サイト上での注意喚起の文書を公開しています。

なお、クレディ・アグリコル・グループの日本における正規のグループ会社は、「クレディ・アグリコル銀行 東京支店」(登録金融機関 関東財務局長(登金)第101号)および「クレディ・アグリコル証券会社 東京支店」(金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第214号)に該当いたします。SNS等で「CIB」「クレディ・アグリコル」等の名称が用いられた取り扱いに接触された際には、ご利用に先立って、上記の正規グループ会社の公式サイト等で、関係性をご確認いただくことが選択肢のひとつとなります。

Q:「CIB」の取引画面で表示されていた利益は本物だったのでしょうか?

A:本件のように、運営者側が独自に提供するプラットフォーム上での表示は、運営者の側のシステムによって生成される画面表示にとどまる性質を持ちます。表示上の数値の動きが、実際の金融市場における取引や、外部の銀行口座等への資金の移動と連動しているかどうかについて、利用者の側から独立に検証する手段は限られているのが通例です。

加えて、本件のように、実際の出金を試みる段階に至って追加の入金や借入が求められる構成が生じる事案では、表示上の数値と、実際にご相談者様の手元に戻ってくる資金との間にずれが生じている可能性も、否定できないところがあります。

弊所弁護士の見解としては、プラットフォーム上の利益表示につきましては、ご相談者様におかれて関連する画面のスクリーンショットを保全していただいたうえで、ご状況の整理を進めることが望ましいと考えております。

Q:IPO株への当選を理由として追加入金を求められましたが、正規のIPOでもこのような流れはあるのでしょうか?

A:IPO(新規公開株)は、未上場の企業が証券取引所に新規上場するにあたり、市場での取引開始前に新株が販売される仕組みです。正規の枠組みにおけるIPOへの参加は、金融商品取引業の登録を受けた証券会社を通じた抽選等の手続によって進められることが一般的です。

正規の手続におきましては、当選後の購入手続は、当該証券会社の口座を通じて行われることが通常で、グループLINEやチャット内の指示に基づいて、別途の入金や借入を経て資金を準備するよう求められる流れには、馴染まないところがあります。

弊所弁護士の見解としては、SNS上のグループ内で「IPO株に当選した」との説明とともに、現在の口座残高を超える追加入金が求められる流れに接した場合には、当該案内が正規の証券会社からの連絡に該当するかどうかを、追加入金の判断に先立って一度ご確認いただくことが、ご状況を整理する手がかりのひとつとなります。具体的には、案内をしている主体の名称が、金融庁の免許・許可・登録等を受けている業者一覧に掲載されているかをご確認いただく方法がございます。

Q:「CIB機関を通じた融資」や外部のローン会社の利用が勧められましたが、投資資金の借入は通常行われるものなのでしょうか?

A:借入による資金で投資を行う行為は、利用者ご自身の判断のもとで一般に可能ではあるものの、相場の変動により損失が生じた場合に、投じた資金の損失と借入金の返済義務が同時に残るかたちとなります。リスクの大きさを踏まえ、正規の証券会社では、お客様への投資資金の貸付を、借入を前提とする勧誘の文脈で持ちかけることは、通常は行われません。

加えて、本件のように、運営者側が独自に提供する「CIB機関を通じた融資」と称される枠組みは、当該プラットフォームの運営主体の信頼性が確認されていない段階で、追加の借入義務をご相談者様の側に発生させる可能性を生じさせるものといえます。

また、外部のローン会社からの借入を経た資金の投入が求められた場面については、「利益からの返済は認められない」という制約条件が伴っていた点も、本件の特徴として確認されています。投資取引の利益は、本来、利用者の側で自由にご処分いただける性質のものですので、利益からの返済を制約する説明がなされること自体に、構造上の違和感が生じる場面といえます。

弊所弁護士の見解としては、SNS上のグループからの案内に従って投資資金の借入を進めることをご検討の段階におかれましては、追加の判断を進める前の時点で、外部の専門家にご状況をご共有いただく選択肢も、ご検討の対象となります。

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※本記事の記載内容は2026年3月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する法的アドバイスを提供するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。

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